193 父さんの運
「ただいまー」
「ただいまです」
「二人とも!お父さん凄いのよ!」
二人でイチャイチャしながら家に帰ると母さんがめちゃくちゃハイテンションで出迎えた。
「あれ?父さんもう帰ってるの?今日は早いね」
「そうなのよ!それで話あるからきてきて」
そう言われて二人で首を傾げつつ居間に入ると、何故か父さんは困ったような顔をしていた。
「お帰り二人とも」
「お父様。何かあったのですか?」
「えっとね。とりあえず座ろうか」
そう言われて座ると父さんはポツリと言った。
「その……実はね。宝くじまた当たったんだ」
「それはそれは」
「おめでとうございます」
「うん、ありがとう」
「いくらなの?」
「……7億」
わぁ。父さん本当に運いいなぁ。きっとあれだ。夏と年末年始に祖父母の家に行くからその分がプールされて当たったのだろう。
「それで?」
「僕らの老後資金は自分たちで何とかなる。だからこれは他に使いたんだ」
「株とか?」
「そんな知識ないよ。素人が手を出すものでもないしね」
そうだろうね。
「琥珀ちゃん。大学とか興味ある?」
「えっと……」
「今すぐじゃなくていいよ。もし何かチャレンジしたくなったら遠慮なく言ってよ。暁斗も」
そりゃあ嬉しいけど。
「父さん」
「ん?」
「俺が琥珀の前でそれ言うと思う?」
「……そうだね。愚問だったね」
「えっと。私もその……そういうのはあんまり。でも出来るならその……」
「うん?」
「……お父様とお母様が好きなように使って欲しいです。いつも大変でしょうし」
「そうだね。母さんと旅行とか行けば?」
「それよ!」
めちゃくちゃ嬉しそうな母さん。というか旅行とか娯楽よりも先にそういう発想なるのは本当にうちの父親らしいよね。
「うーん。そうだね家族旅行も悪くないね」
「それもいいけど……そのうち二人で行ってきなよ。その時は俺は琥珀と二人暮しして楽しむし」
「そうだね。暁斗が理性的なら考えよう」
失礼な。とはいえそれはある意味正しい。帰ってきて琥珀が妊娠とか割とあれだし。俺は琥珀には甘々なので琥珀が『あっくんの赤ちゃん……欲しい……』なんて言ったら恐らくノリノリで若い過ちをするだろう。
「わ、私も我慢します!」
「え?あ、そっか。琥珀ちゃんもそういう感じか」
「あっ……その……はぅ……」
ぼふんと赤くなる琥珀。なるほど俺は襲われる側と。まあ琥珀にヤンデレ気味で押し倒されるのは悪くない。俺がドSに転じるか、琥珀がヤンデレ気味になるかどっちも有り得るからなぁ。俺としてはヤンデレ化した琥珀に迫られたいけど、琥珀に甘々で『めちゃくちゃにして……』みたいなのも好き。煩悩は拭いされないね。琥珀は可愛いから仕方ない。




