192 一日目終了
目が覚めた琥珀と一度クラスに戻る。時間的に一日目が終わるので、ホームルームをして下校するためだ。
「あっくん。また後でね」
「ああ」
少し照れてる琥珀に手を振って俺もクラスに戻る。
「トランプ取られた……あれ姉ちゃんのなのに……」
そしてクラスで絶望するアホを見つける。
「だから見つかる場所でやるなとあれ程」
「言った?それ?俺に届くように言った?」
「言ったぞ。昨日の郵便にしたためた」
「そろそろ着くなぁ……じゃねぇよやべぇよ!」
「ていうか、あのトランプお前の姉ちゃんのかよ」
「うん……」
こいつには年の離れた姉がいる。確か社会人でそのうち結婚するって聞いてるけど。
「流石に実家に置いてる使わないやつならセーフじゃない?」
「なぁ、それ姉ちゃんに直に言ってくれよ。暁斗なら姉ちゃんも絶対に許してくるし」
「嫌だよ。せっかく叱ってくれるチャンスがあるのを俺が奪う訳にはいかないでしょ」
「鬼!悪魔!鬼畜!」
「はいはい、何とでも。それよりも聞き違いじゃなければそのお姉さん近いうちに戻ってくるんじゃないっけ?」
「……明後日だ」
処刑は明後日か。なるほど。
「それ生中継とかないの?見たいんだけど」
「鬼か!そんなに人の不幸は蜜の味か!」
「驕るなよ。お前の不幸なんて雑草にすら劣る」
「「「「しかりしかり」」」」
「誰だ!?今同意したやつ!?文句あるなら……かかってこいやー!」
「やかましいぞ、川藤」
そんな川藤をベンと名簿で叩いて黙らせた担任が粛々とホームルームを終わらせる。
「あー。それとだ。明日はないと思うが校内にあれこれ持ち込んだバカは問答無用でこれと同じことになる注意しろよー」
お優しい担任のアドバイスは一日遅かったが、川藤が身を持って示してくれた。ありがとう川藤。君の冥福を心から祈……るのも嫌なので出来れば地獄で愉快に閻魔様と天下一武道会でもやっててね。
「せめて安らかなの祈ってよー!」
「うるさいぞ川藤。じゃあ、今日は終わりな。解散。明日はこれ片付けるから頑張れよー」
たった二日のために作られたスーパーサウルスさんは明日で見納めか。鈴木が凄く残念そうだが気に入ってたのだろう。仕方ない。
「鈴木。確か携帯持ってなかったな」
「ん?ああ」
「プリントアウトしたので良ければ後日渡すよ」
「いいのか?俺としては写真部のやつ待ってもいいんだが……」
「いいよ。デートの邪魔しなかったお礼」
「……サンキューな」
川藤が後ろで「なんか俺にだけ暁斗厳しくね?」とかクラスの女子に聞いて「むしろ優しいでしょ。アホなのが悪い」と乱闘になりそうなってた。騒がしいなぁ。さてあれはスルーして、琥珀と帰るとしよう。琥珀待ってるだろうなぁ。早く会いたいものだ。




