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過去に戻れたので、いじめで自殺した幼なじみを助けて溺愛します  作者: yui/サウスのサウス


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184 文化祭当日

文化祭当日。朝の天気はあまり良いとは言えないけど室内展示のみだから文化祭への影響はほぼないだろう。琥珀と家を出ると風が少し冷えてる気がする。


「寒くなってきたね〜」

「冬も近そうだ」

「ね〜」


嬉しそうに微笑む琥珀。


「そういえば、琥珀は昔から雪好きだったね」

「うん。冷たくて白くて好き〜。でもね、それ以上に思い出が沢山あるからかも」

「思い出?」

「うん。あっくん覚えてる?保育園の時のこと」


保育園、雪とくれば流石の俺でも何を指してるのか思い出す。


「もしかしてサンタのこと?」

「うん!覚えてくれたんだね」

「そりゃあ……俺が色々やらかしたやつだし」


琥珀とは保育園も一緒だった。あの年頃の子供でサンタを信じる無垢な子はそこそこ居たのだが、クリスマス前だったかな?琥珀が俺と二人で遊んでる時に『私のところ。サンタさんこないの』と寂しそうに言ってたのだ。それを聞いて何でと俺は聞いてしまった。すると琥珀は『私悪い子だからかも』と悲しそうな顔を隠すように笑ったのだ。


あの頃の俺はサンタを半分くらいしか信じてなかった。というか父さんがプレゼント置くのを寝ぼけ眼で見たような気がしたので信じてるフリだったのかもしれない。今となってはどっちも一緒か。俺は琥珀のような良い子にサンタが来ないのならサンタなんて居ないって思った。だから夜中にこっそり部屋を抜け出して、琥珀の部屋の前に俺なりにプレゼントを置いておいたのだ。


子供だしお金があるわけでもなかったからそれ程大したものは置いてない。それでも琥珀は翌日に朝起きてうちに来て『サンタが来たよ』と嬉しそうに報告してくれた。抜け出したことは父さんと母さんにバレてて怒られた後だったけど、母さんがめちゃくちゃニヤニヤしてたのと、父さんが『事情はともかく一人は危険だから』とやんわりとまた注意されけど、琥珀の笑顔でやって良かったと思った。


「……琥珀は俺の仕業って知ってたんでしょ?」

「うん。だってあっくんの靴の跡が残ってだもん。それでも私は凄く嬉しかったよ」

「そっか。ならやってよかったよ」


そう言って歩き出すと、琥珀もちょこちょこ着いてくる。琥珀のために自然と歩幅を狭くゆっくり歩く癖がついてるからか自然に追いつくと心底嬉しそうにくっついてくる琥珀。


琥珀は俺の子供のような悪戯を今でも覚えてて大切な思い出としてくれてる。そんな事実が嬉しくて同時に何となく昔の俺の手柄は照れくさくてあまり誇れない。それでもこうして笑ってくれたのなら……やったかいはあったのかもね。


文化祭当日なのに昔の自分に照れさせられた朝でございます。雪は来月か再来月かな。楽しみだ。寒くなるだろうけど。

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