137 友人への貸し
(´−`) ンー
「暁斗!宿題写させてくれ!」
実家への帰省が終わり、残り少ない夏休み期間を過ごしていると、何故か友人の川藤から呼び出しの連絡を受けた。琥珀とのんびりしたかったが、あまりにもしつこい連絡に仕方なく、待ち合わせの近くのマックに向かうとそこには宿題を広げているアホな友人がいて思わず呆れてしまった。
「そんなくだらない要件で呼び出したの?」
「母ちゃんに宿題してないのバレて追い出されたんだよ!」
「あー、小学生時代毎年ギリギリでやってて、ブチ切れた母親に今年は前半で確実に終わらせるとか約束したんだっけ?」
なぜ詳しいのかと言えば、その時現場に居合わせたからだ。あまりにも無計画な上に友人を頼る姿勢を堂々とするバカ息子にコイツの母親がキレたのだろう。
「そういう訳で写させてくれ!終わるまで帰れなんだよ……もしくは家に泊まらせてくれ!」
「どっちも嫌だよ」
琥珀の所にこのバカを連れてくのは悪影響しかないので、嫌なのだ。
「友達だろ!」
「だから嫌なんだけど……帰っていい?」
「頼むって!少しでいいから!お礼はポテトで返すからさ!」
「……Lサイズ?」
「Sサイズ!」
ドヤ顔してるけど、せこくね?とはいえ、これ以上店で騒ぐのも嫌だし、適当に付き合って離脱するのが一番穏便かな?
「分かったよ。少し手伝うけど、お礼はポテトじゃなくていいよ」
「じゃあ、何ならいいんだ?ドリンクSサイズでもいいぞ!」
「せめてMサイズにはしろよ。じゃなくて、お礼は夏休み明けに果たしてくれる?」
「どいうこと?」
疑問符を浮かべる川藤に俺は、とある提案をする。それは来るべき行事の一つ、林間学校についてだ。1年生の時はキャンプ、2年生は登山、3年生は進路があるので無しという感じで中学でもやるイベントなのだが、今年は琥珀とクラスが違うので、色々根回しが大変なのだ。
夏休み期間の前後でやるイベントなのだが、ウチの中学は夏休み明けすぐにやることになっている。そこで、一番俺が懸念してるのはキャンプファイヤーの時のフォークダンスだ。
男女で手を繋ぐことになるとなると、琥珀が他の男子と手を繋ぐという胸糞悪い展開があり得るということだ。これを何とかしないといけないので、俺は水面下で色々と工作をしているのだ。手ぐらいで大袈裟とか思うだろ?だけど、琥珀たんの小さな可愛い手を繋ぐということは、俺以外に許されないのですよ。
そんな訳で、その為の駒とし川藤を遠慮なく使うために、俺は軽く宿題を手伝うのだった。




