138 壁ドン?
( ・ω・)و|壁ドン
セミの元気な声が聞こえてくる。クーラーがガンガン効いた部屋で琥珀と2人で読書に勤しむ。外の気温は40℃を超えてるらしい。多分今年1番の暑さにうんざりするが、琥珀がいる夏だと思えば前向きになれるのだから、我ながら単純かもしれない。
「はわわ……!」
そんな、我がオアシスな琥珀たんは、少女漫画を読んで見るからにドキドキしていた。リアクションだけでも可愛らしいが、果たしてどんな行為にときめているのだろうかと、推測をする。
琥珀が今読んでる少女漫画で、琥珀が気になりそうなシーン……あの漫画は少女漫画の中ではかなり大人なシーンが少ない作品なのだが、キスだって最後の方まで無かったはず。今読んでるのは中盤だからそうなると、それ以外の胸きゅんシーンと言えば……
「琥珀」
「な、なに?あっく――ふぇ!?」
ベッドに腰掛けていた琥珀を押し倒して、壁ドン (床ドンかベッドドンかもだが) をしてみる。突然押し倒された琥珀は驚きつつも、俺の勢いと息のかかる近さに明らかにドキドキしていた。
……あかん、壁ドンのつもりがガチで押し倒してる構図になってしまった。ただでさえ、琥珀は真っ赤で可愛いのに、なんか押し倒された琥珀が色っぽく乙女の顔をしてるのが、またヤバい。
「あうあう……」
混乱しつつも、ドキドキしてる琥珀を見て、本気で襲いかかりたくなるが何とか我慢して、不敵な笑みを浮かべてみる。ええい!もう後には引けないんだ!
「こういうの……興味あるのかと思ってさ」
そっと、耳に息を吹きかける。
「ひゃん!」
「可愛い悲鳴だね」
「あっくん……もう……」
切なそうな顔を浮かべないで、その顔めっちゃ可愛すぎるから!なんかこういう攻めるのは俺のキャラではないけど、琥珀がいい反応をするので、思わずやりたくなってしまう。
俺ってSの気があるのだろうか?それにしても、琥珀たんのこういう顔を見ると、本気で歯止めが効かなくなりそうだから、今後は自重しよう。
チラリと投げ出された漫画を見ると、やはりそこには壁ダーン!な描写があって、琥珀がそれにドキドキしていたのは明白だった。
しかし、普通の壁ドンにするべきだったな……ベッドに押し倒したら、襲いかかってるようにしか見えないし、本気でその場で愛する琥珀を自分のモノにしようとしてしまいたくなる邪な心が動くので、自重したい。
そんな感じで、外は暑い中、俺達カップルはもっと熱かったというただの惚気けなんだけど文句あるかな?琥珀が可愛すぎるから仕方ないよね!




