124 桃
モモォ(「・ω・)「
「暁斗!琥珀ちゃん!ここか!」
ドタドタと廊下を走る音が聞こえてから、部屋のドアを開けて入ってきたのは祖父だった。背に籠を背負っており、そこからはある果物が顔を見せていた。
「あなた、琥珀さんがびっくりするので、静かに入ってきてください」
「……すまんのぅ」
祖父母の力関係は、祖母が圧倒的に主導権を握っている。普段は夫を立てる優しき妻だが、言うべきとはちゃんと言うし、やり過ぎれば注意もする。そんな祖母に祖父は絶対に逆らうことはしない。尻に敷かれてる?まあ、惚れた弱みってやつかな?
俺も琥珀になら、尻に敷かれてもいいかもしれない。
まあ、生粋の大和撫子な琥珀たんなので、女王様みたいには振る舞えないだろうけど、それはそれで可愛いからOKだろう。
「それで、お祖父ちゃん、その背中のはもしかして……」
「そうじゃった!2人にお土産じゃよ」
キョトンとしていた琥珀だったが、祖父が籠を下ろしたことで、中身が見えて嬉しそうな笑みを浮かべた。
「わぁ……!美味しそうな桃だね」
祖父が持ってきたのは桃。スーパーとかで買うとそれなりの値段がするものだが、孫に甘々な祖父は普通に食べさせてくれるので、有難い。
「自慢の桃達じゃよ」
「洗ってきたので、そのまま食べれますよ」
いつの間にやら先程までお茶を飲んでいた祖母が籠から2つ桃を持って行って洗ってきたようだ。そんな祖母の気遣いに感謝しつつ琥珀は恐る恐る一口食べる。すると、頬を緩ませて言った。
「ん……!あまーい!柔らかーい♪」
硬い桃も、歯ごたえがあって俺は好きだが、一般的にはやっぱり柔らかい桃の方が美味しいよね。俺も食べてみるが、物凄い柔らかくて甘い桃に微笑む。
「確かに美味しいね。流石お祖父ちゃんだよ」
「そ、そうかの?」
「切り分けてきたので、好きに食べてください」
そして、祖母の動きが早すぎて怖い。台所までそこそこ距離あるのに、足音もなく移動してるのが凄すぎる。着物で動きにくそうなのに、瞬間移動でもしてるように行動してるのだから、流石祖母だ。
「あっくん、美味しいね」
そんな中で可愛すぎる琥珀が俺の心を一気に持っていくので、あまり気にならないけどさ。
「そうだね、琥珀、あーん」
「ふぇ……あ、あーん……」
「美味しい?」
「う、うん……」
祖父母の前でも堂々と食べさせてあげるのだが、恥ずかしそうにする琥珀はいつ見ても可愛すぎてついつい、やり過ぎてしまう。というか、頬を赤らめて恥ずかしいけど、嬉しい……みたいな顔が超絶可愛すぎる!やはり俺の琥珀ラブコメは間違ってない! (キリッ)




