123 アドレス交換
\(・∀・)
午後になると、流石に男衆も祖父から休みを貰えたらしく、夫婦、家族水入らずの時間となる。まあ、帰省してる間の短いゆったりとした時間だろうが、こういう時間も時には必要なのだろう。
俺と琥珀も両親とゆったりと……という訳でもなく、祖母と3人でお茶を楽しんでいた。
祖母とお茶をする時は、無意識に背筋が伸びてる感覚がある。なんとなく、ちゃんとしないといけないと、幼い頃から思ってしまうのだ。
その祖母は流石に綺麗な所作でお茶を飲んでいるが、琥珀はその動きに感動してるようだ。まあ、琥珀は祖母に憧れを抱いてるみたいだしね。
「お祖父ちゃんは、畑かな?」
「ええ、あの人の生き甲斐ですからね」
「お祖母ちゃんの次にでしょ?」
「ふふ、暁斗も口が上手くなりましたね。琥珀さんを口説いてるからでしょうか?」
「ふぇ?」
子リスのようにクッキーを食べていた琥珀。ただ食べてるだけで俺を萌えさせるのだから、琥珀たんってば、恐ろしいものだ。
「琥珀の場合は、本気で思ったことを言ってるだけだから、口説いてるのか分からなくなる時があるけどね。琥珀への好意が溢れてるからね」
「私の孫は、私に似て情熱的なようで何よりです。時に、琥珀さん」
「は、はい」
「携帯は持っていますか?」
その質問にキョトンとしてから、琥珀は頷いて言った。
「は、はい。あっくんとお揃いのやつを……」
「では、私と番号とアドレスの交換をしましょう」
そう言いながら慣れた手つきで携帯を操作する祖母。祖父は農機以外は機械オンチなレベルだが、祖母はなんでも普通にこなせる。ド田舎ではあるが、場所によっては電波が入るこの田舎でも、普通に使えるのは祖母くらいだろう。
「えっと……いいんですか?」
「ええ、琥珀さんとは長い付き合いになるでしょうからね。何か相談事や教えて欲しいことがあれば何でも連絡してください」
「あの……お料理とかのことでもですか?」
「紗季にも分からないことはありますから、是非。それ以外でも暇な時にお話しましょう」
その言葉に嬉しそうに頷く琥珀。にしても、この社交性の高さは流石だな。こういう所も、琥珀が憧れる部分なのだろう。まあ、俺は今の琥珀が愛おしい過ぎるけど、どんな変化でも、琥珀が進みたい変化なら、受け入れることは出来る。
にしても、琥珀は本当に色んな人に好かれやすいものだ。可愛いし素直だから皆自然と優しくしてしまうのだろう。ライバルが出来ないようにしっかりガードしないと。琥珀たんは俺のものだ!そして俺は琥珀たんのものだ!
そんなことを思いつつも表面上は、和やかに話す彼女と祖母を見守る彼氏でいるのだった。うん、やっぱり琥珀たん可愛すぎる。




