121 百合と資格
(。・'ω'・。)
祖母の手伝いでお昼を用意しに行った琥珀を見送ってから、俺は持ってきた資格の教本を読んで暇を潰していた。琥珀たんのエプロン姿を想像するとニマニマしてしまいそうになるが、琥珀がご飯に呼びに来てくれると信じてポーカーフェイスを貫く。
「……ん。暁斗、読書?」
「ノックくらいしなよ、未来姉さん」
音もなく入ってきた従姉妹にそう言うが、本人は気にせずに俺の読んでいた教本を見て少し驚く。
「……これ危険物取扱者のやつ?」
「まあね」
「……暁斗、もう受けるの?」
「確か次の試験日が10月だからね、早めに取ろうと思ってさ」
今回俺が読んでいたのは、危険物取扱者と呼ばれる資格。一般的には乙4という言葉を聞いたことがある人も多いのではないだろうか?乙種第4類危険物取扱者免状、履歴書風に言えばこうかな?
中学生の受験者なんてほとんどいないが、あれば就職にはそこそこ役立つ資格。しかも、覚えるのも割と楽だしね。
「……ん。私それ、コンプリートした。甲種も取った」
「相変わらずハイスペックだね」
高校生で甲種取るのって結構難しいんだけど……まあ、従姉妹はハイスペックだから仕方ない。
「……でも、筆記の資格はあまり好きじゃない」
「バイクの免許とか楽しそうに取ってたもんね」
「……今は車が待ち遠しい。早く女性の教官にセクハラされたい」
「ごめん、それは理解できない」
やはり百合ルートに入ってしまったのだろうか?まあ、バイクで2人乗りする訳にもいかないから仕方ないのかもだけど。
「……ん、暁斗は免許取る?」
「取る予定だよ。琥珀とドライブしたいし」
「……シロちゃん、喜びそう。私も免許取ったらシロちゃんドライブ連れて行く」
「琥珀に変なことしないでよ?」
「……大丈夫。ちょっと触るだけ」
思うに、前の時はこんな会話従姉妹としてなかった気がする。それだけ自分が子供だったのと……あとは、途中からそんな余裕無かったのだろうな。必要以上に関わらなかったし、結婚式も出られなかったからはぁ。
あの時、招待されたのは誰の結婚式だったかな?梨花姉さんか結女姉さんだった気がする。未来姉さんの可能性も無きにしも非ずだが、今の様子からだと契約結婚とか平気でしそうな気もするので、少し心配だ。
そんな感じで、未来姉さんの性癖を若干知りつつも、同時に役に立ちそうな資格に関しても教えて貰えた。総合的に見ればプラスなので、琥珀が可愛らしくノックをして俺をお昼に呼んでくれるまで時間を潰すのだった。




