112 君が居ないとダメみたい
君じゃなきゃだめみたいYou!!σ(≧∀≦)きみ
苦しい。
ポッカリと心に穴が空いてる感覚。
忘れようもない、拭いきれない過去。
どうしてあの時、俺は手を伸ばさなかったのだろうか。
悔やんでも悔やみきれない。
忘れることは許されない、最後の琥珀の笑顔。
違う。今度こそ救うんだ。
そう、分かってるはずなのに……
伸ばした手は琥珀をすり抜けてしまう。
またダメなのか?まだ届かないのか?
走る、けどいくら走っても追いつけない琥珀。
足が重い。夢なのだと分かっていた。
それでも、苦しさだけは本物のように感じる。
でも、諦める訳にはいかない。
例え、夢でももう絶対に琥珀を離さない。
だから歩き出す。
無限の暗闇で音もなく琥珀のいる場所しか見えない。
これは罰なのだろうか?
ふと、そんな疑問が過ぎる。
違う!これは俺の勝手な自責の念だ!
ふと、何かに包まれる感覚。
これは、この温かさは……
『あっくん』
確かに聞こえたその声と共に俺の意識は浮上する。
「あっくん」
目を覚ますと、心配そうな琥珀の顔がそこにはあった。チラッと時間を確認すると丁度日付が変わった辺り。祖母と話してから寝たのだが、どうやら琥珀が居なくて心が不安的になってあんな夢を見たようだ。
「おはよう、琥珀。心配かけてごめん」
「ううん」
そっと俺の頭を撫でる琥珀。どこか優しいその手つきに安心していると、琥珀は優しげな声で言った。
「あっくん、辛かったら私にも話して欲しいな」
「え……?」
「あっくんはいつも私のことで頑張ってくれてるから……そんなあっくんはカッコイイけど、私はあっくんが苦しそうな顔してるのみたくないの」
……守られる側の気持ちか。祖母はどこまでも見透かしていたのかもしれないな。
「琥珀」
「なあに?」
「寂しいから一緒に寝てくれるかな?」
「……うん。そばに居るよ」
パジャマパーティーの方はいいのかとか、どうしてここにとか野暮なことは聞かない。言えることはほとんど無い、だからこうして甘えてみることにする。
きっと、俺は琥珀が傍に居ないとまた自分の罪悪感に押しつぶされる。普段は閉まってる後悔と罪の意識が夢に出てしまうのだろう。それらは決して消えることはない。だって、失ってしまった事実は脳裏から離れないから。
だから、こうして琥珀といるとそれが消えたように感じるのだろう。いや、こうして愛してるとそれらを気にするより、琥珀を愛でたくなるからなのだろう。
なんてことはない、俺はただ面倒くさい男なだけなのだろう。
だから、琥珀の前ではカッコよくいたいのかもしれない。




