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ウェルヴィーア~邪神と戦えと異世界に放り込まれたオレ(♀)の苦労話をしようか  作者: タカハシあん


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97 人体改造

「……酷い目に遭った……」


 おねーさん方にオモチャにされ、追及され、石鹸やらシャンプーやらを吐き出してやっと解放してもらえた。


 ったく。姉ばーちゃんにしっかり請求せんとな!


「……羨ましい……」


 その目は妬ましいと言ってるぞ、イビスちゃんよ。


「リンとしてはイビスが羨ましい。リンには男の感覚が薄くなってるから」


 と言うより性別を超えたなにかになってる感じだよ。アレか? オネーサンになったのか? ヤダな、それはそれで。


「女の感覚なのか?」


「それもない。男に興味もないし」


 まだ七歳なのもあるが、心も体も男に反応することはない。興味まったくナッシング~。


「イビスは男の感覚はあるんだ」


「……あると言うより、強く意識してしまった……」


 そのきっかけは訊かないでおこう。元男の情けや。


「襲わないでね」


 ヤダと自分の体を抱き締める。


「わたしに少女趣味はない」


 うん。知ってる。ボンなキューのボンをガン見してたし。


「おねーさんに優しくされたいなら身嗜みをしっかりして、日頃から綺麗にしておく」


 金髪碧眼。不思議の国に放り込みたいな顔立ちをしているのだ、可愛くすれば大人気になるだろうよ。


 ……野郎にも大人気になりそうだけどな……。


「ボスの力で男になることはできないか?」


「できる」


「……できな……え? できる?」


「できる。人体改造はかーちゃんでやってみたから」


 病気しない体になって楽しく元気に生きてるよ。


「……じ、実の親を改造って、どこまで鬼畜なんだ、ボスは……」


 君がオレをどう思ってるかよくわかったよ。


「衛生概念もない世界で、汚い男を相手に体を売る。性病にかかることない体にすることが鬼畜と言うなら鬼畜なんだろう」


 そのことで言いワケするつもりはない。そうしなきゃ生き残れなかったんだからな。


「……ボスも苦労したんだな……」


「今も苦労してることを理解してくれると助かる」


 君たちの衣食住から傭兵団運営、仕事の発注と、七歳児がすることじゃないからね。


「リンの苦労を和らげるためにも寝るまでスタングレネードを創る」


「いや、男に戻してくれよ!」


「魔力と言う代価が必要」


「……どのくらい必要なんだ……?」


「後遺症なく完全に、望む肉体にしようと思ったら今のリンが二千人は必要」


 かーちゃんは何年もかけて、毎日毎日ちょっとずつ改造していた。それでも免疫力が高く、健康な体でしかない。


「……ボスが二千人って、絶望的じゃないか……」


「イビスは知らないけど、一人のバカがレベルアップできる体にしてくれと願い、神はそれは良いと次の者からレベルアップできる体にした」


「じゃあ、ボスがレベルアップすれは魔力は上がるんだな?」


「上がる。けど、邪神の揺り籠──魔物を生み出す玉を壊せばイビスでもレベルアップはできる。ねーちゃんとジェスで試した」


「……ほんと、身内すら利用するとか悪魔だろう……」


「悪魔だってもっと天使を尊重するわ」


 そこ。ボソッと言っても聞こえてんだよ。黙って化粧水をコピーしてろや。


「イビスがレベルアップして魔力を増やし、少しずつ貯めていけば五年もかからないと思う」


「……五年。十二歳には男に戻れるんだな……」


 戻るじゃなく変わるな。今生、女として生まれたんだからさ。


「ただ、女としての優位を捨ててもいいの?」


 オレが考える女の優位とイビスが思う優位は別だが、女でいることはなにも不利ではない。いや、男であったなら一度は願う状況だ。


「ど、どう言うことだ?」


「今なら女湯入り放題見放題」


 気がつかなかった! みたいな顔をするバカ野郎(中身ね)。お前は童貞を拗らせた中学生かよ? 


「……な、なんということだ……」


 なんだろうな。バカすぎて直視するのも苦痛になって来たよ。


「まあ、女に理想を求めるなら最速で魔力を貯めたらいい」


 女は努力でできている。それを知って絶望する童貞の多いことよ。イビスもなんか童貞っぽいし、絶望する前に男になったほうがいいかもな。


「……しばらくこのままでいる……」


 なら、好きにしたらいいさ。変な方向に拗れなければな。


「ただ、レベルアップはしてもらうし、銃器は出してもらう」


 容赦なく、な。


「……手加減してもらえると助かります……」


「それは邪神に言って」


 オレは無駄な願いをするより地道に備える道を選びますけどね。


「そうだ。リン、明日は狩りにいけないからロッシュニーの指示に従って」


「なにかあるのか?」


 お前は風呂場での出来事を覚えて……ないわな。ガン見してたし。


「おねーさん方のマッサージを頼まれたのと商売をする」


 狩りも大切だが、資金調達も大事なオレのお仕事。カイヘンベルクでの稼ぎで安心はしてられないのだ。


「……邪神と戦うのは大変なんだな……」


「邪神と戦えと言うなら予算を出せと言いたい」


 まあ、その分、リリーさんに支払ってもらいますけどね。


「……手加減してもらえると助かります……」


「それは神に言って」


 神の強制により戦わされてるオレに言われても困ります。


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― 新着の感想 ―
[一言] 邪神討伐予算(金策用守護天使)ですね、わかります
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