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万能偵察ポッドに案内されやって来た場所は町の端にある倉庫(雪で半分埋まってる)で、謎の通路を発見したイビスは、倉庫の前で待っていた。どうしたの?
「なんか嫌な感じがしたから外で待ってた」
戦争屋の勘もあの男の直感にも負けてないな。
「ジェスはどう? なんか引っかかるものある?」
その五感をフルに発揮してちょうだいな。
「いや、これと言って引っかかるものはないのだが……」
ありゃ? ジェスにはわからないなにかがあるのか?
「ボスはどうなんだ?」
「なーんも感じない」
戦争屋でもなければ獣人でもない。そんな特殊能力なんてないよ。
「いや、わたしらより特別な力で敵の攻撃を回避してるだろう」
「特別な力じゃない。考察による予想みたいなものです!」
まあ、誰も信じてくれないだろうけど。
>っと鑑定。倉庫は倉庫だった。
「建物自体に仕掛けはないね?」
万能偵察ポッドに雪を収納させ、倉庫の全容を現してみた。
「やはり、ここになにか重要なものを運んでいるな」
地面の跡を見たイビスがそう断言した。
「レールとかあるんだ」
神に選ばれたヤツが過去にいたんだからレールがあっても不思議ではないが、延び方が町中にって感じだ。
「なにを大量に運んでいたんだ?」
「おそらく、魔物だと思う。他の倉庫に檻がいっぱいあったから」
地下で大規模な魔物の改造でもしてるのか?
「中には入ったの?」
「入った。何人かがここへ一目散に逃げたんでな」
それは恐怖からか。それとも秘密を消すためか。イビスの勘から後者の感じだが、罠の可能性もある。
考えてもわからないのなら万能偵察ポッドを突入させればいい。
「謎の通路ってのはどこ?」
万能偵察ポッドを見たものをイビスにも見れるように魔法をかける。あ、魔法のモニターで見せてます。
「中央だ」
中央? と、万能偵察ポッドの視線を下に向ける。
「……もしかして、昇降機……?」
三メートル×三メートルの溝があり、制御盤みたいなのがあった。
「だろうな。ああ言うヤツらは地下に潜りたくなる生き物だから」
ああ言うヤツらとはどう言うヤツらかはあえて問わないが、なんとなくは理解できる。碌でもないヤツは人目を異常に気にするからな。
「本当にね」
なぜか強く同意するリリーさん。過去になにか思い当たることがありましたか?
「降りるか?」
判断に迷う。
ここに逃げようとしたなら考えることは証拠隠滅。と言うことは見られたくないものがあるってこと。つまり、重要な情報があるってことだ。
「殺したの、失敗だったね」
後悔はしないが、失敗なのは認めます。
「なにがあるかはわかっても構造までは知らされてないだろう」
まあ、それはそうだ。
再度、倉庫内を>っと鑑定。構造を調べる。
造りはしっかりしていて鉄筋まで入ってる。並みの力では崩せないだろうよ。
「自爆用の仕掛けもないし、魔法的なものもないね」
となれば地下に仕掛けてあるってことか……。
「うん。降りよう」
「危険じゃないか?」
「危険だと思う。けど、地下にあるものが気になるから」
鑑定しながら降りれば大丈夫だろう。
「万が一を考えてジェスは残って。敵の襲来とか受けたら嫌だから」
襲撃されたらどこかから飛んで来る体制になってたら逃げ道も塞がれる。
「わかった。気をつけろよ」
勿の論よ。
倉庫へと入り、昇降機に乗る。
「邪神側は発展してるんだな」
上下ボタンがあるだけの制御盤だが、カラクリ的には今の時代には不可能な造りだ。
「神が無能ってことだよ」
後手後手なヤツは自らを無能と言ってるようなもの。そんな無能にいいように扱われるオレたちは救われないぜ……。
「主は人の可能性を認めているのよ」
「それで邪神側の攻勢に手を貸してたら本末転倒だよ」
こちら側で昇降機を造れるヤツがいれば文句はないさ。だが、アイカワ帝国でも前の世界の十七世紀くらいの文明だ。とても昇降機を造れる技術はないだろう。
しかも、組織として完成してるっぼい節がある。個人で抗えとかクソゲーも真っ青である。
下ボタンを押すと、ガコンと音がして昇降機が降下し始めた。
「ワイヤーとか造れる技術もあるんだ」
となると、邪神側に都市クラスの本拠地があると見ていいかもしれんな。はぁ~。
>っと鑑定しながら危険物を探すが、これと言ったものは仕掛けられてない。逆に造りがしっかりしていて重要施設だと主張しているほどである。
「ボス。そろそろつきそうだぞ」
無人であろうにサブマシンガンを構えるイビス。なにか侵入者撃退のなにかがあるのかな?
万能偵察ポッドは八個連れて来たので、ターミネーターがいても軽く撃退できるだろうよ。
昇降機の速度が徐々に遅くなる。って、どうやって制御してるんだろう?
なにやら大空間に出て、昇降機が到着──したと同時に「ガコン!」と言う音が鳴り響いた。
「……今のは?」
下からそれはしたが、オレの目は目の前にある八つの魔法陣っぼいものに釘づけにされていた。
いや、それは正確じゃない。
魔法陣を消すように書かれた血文字に目が釘づけとなっているのだ。
──見つかっちゃった。テヘペロ☆
ご丁寧にもテヘペロのイラストもつけやがっている。
「ボ、ボス。なんか嫌な音が段々と大きくなってるんだが……」
「目からビーム!」
で腐れ血文字を吹き飛ばしてやる。
「……クソがクソがクソがクソがクソがぁぁあぁぁぁぁっ!!」
このふざけたことするのはあいつだ。災害竜の陰に潜んでたヤツだ。間違ない。絶対と断言できる。
「やられた! まんまと釣り込まれた!」
いや、そこじゃない。そうじゃない。敵はオレの思考や行動を知ってこれを仕掛けたことだ。
オレの用心深さや鑑定があることを逆手に取り、オレをここに導いたのだ。クソったれがっ!
「ボス! しっかりしろ!」
イビスにひっぱたかれて我を取り戻した。
そ、そうだ。こんなところで死んでられるか。まだ神に一矢報いてないのによ。
「ジェス。逃げて! ミカンはその子たちを守れ!」
指示を出しながらイビスを引き寄せて万能偵察ポッドに防御膜を張らせた──瞬間、下から真っ赤な溶岩が溢れ出した。
「テメーはぜってーオレがぶっ殺すっ!」
そして、オレたちは溶岩に飲み込まれてしまった。
なんかそれっぽい顔文字にしました。




