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ウェルヴィーア~邪神と戦えと異世界に放り込まれたオレ(♀)の苦労話をしようか  作者: タカハシあん


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183/359

183 戦奴町

 モグリの戦奴町は山の中にあった。


 冬だからなのか、外に出ている者はいない。が、煙突から出ている煙からケダモノどもが生息しているのは確かだった。


 鑑定でも戦奴町と出ている。名前はないみたいだが。


「ジェス、よく知ってたね?」


 最寄りの町からも街道から外れている。道も獣道みたいなものだ。地元のヤツでもここは知らないんじゃないかと思うところだ。


「ここから逃げたヤツがいて、一度救いに来たが、強いヤツがいて半数が殺された……」


「みたいだな。誰か出て来たぞ」


 オレらは戦奴町が見える山の中腹にいる。距離も三百メートルは離れている。


 よほどのことじゃなければ気づかれることはない──のだが、よほどのことができるヤツがいるようだ。


 オレの視力では微かに見える程度だが、シルエットからして男だろう。


 >っ千里眼。プラス>と鑑定。レベル7と出た。


「リヴィーエル教? なんじゃそりゃ?」


 そんな宗教なんてあったか? 自由貿易都市群ではバリューサ教と言ってもいいくらいなんだがな。


「邪神を信じる者たちよ」


 と、帽子の中から驚愕の真実をぶちかますリリーちゃん。そう言う大事なことは早く言えや!!


「いや、考えるべきことだった。人を操るには宗教が効果的なんだから」


 自分がやって敵がやらないってことはない。その考えに至らなかったオレがアホなだけだ。


「カルト教団かよ。クソだな」


 なにかカルト教団にいい思い出がないような感じだな。いや、カルト教団でいい思い出があるとは思わんけどよ。


「確実に気がつかれたようだ」


「だが、どこかまではわかってない感じだな」


 一応、ここまで来る間に罠や警報がないか鑑定しながらやって来たが、それらしいものはなく、パトロールしてるような足跡があったくらいだった。


「気配察知かな?」


 鍛えられた感覚とか鑑定に出ないんだよね。いや、魔力を注ぎ込めば可能かもしれないけど、視線とかわかるヤツだったら不味いからやったりはできないのですよ。


「それだったら方向くらいはわかるだろう」


 だね。周囲を警戒していることからしてオレたちの場所はわかってない感じだ。


「あれ、生け捕りね。手足くらいはなくなってもいいけど」


 なんなのか知っておく必要がある。もし、能力ならいただきたいし。


「ダメなときは許してくれよ」


「わかってる」


 オレはいつも命大事にがモットー。命に代えれるものはないのです。


 イビスが構えていた狙撃銃の引き金を引いた。


 普通なら発砲音がするところだが、スズちゃんの魔法で消音されてます。あ、迷彩もしてるので雪が吹き飛ぶこともありません。


「──なっ!? 避けられただと?!」


 いや、避けたと言うより勘づいた感じだったら。直感か?!


「チッ。位置がバレたか」


 周辺にいた者たちが一斉にこちらへと向いた。


「イビス。雑魚を排除」


 位置を特定したことから一流なのはわかるが、それは人の域でのこと。弾丸の速度に勝てることはない。


「ジェス。今度はぶっちぎりで勝っちゃいなさい」


 レベル差はあるが、今のジェスはそれだけではない。レベルに合った実力を身につけている。相手が女騎士レベルでもなければ負けることはない!


「もちろんだ──」


 この一年弱。少ないながらも魔物を倒してレベル10へと到達している。


 弱い敵相手に熟練度が上がるか心配してたけど、ジェスなりに鍛え、考えて戦うことを覚えた。


 戦士としても英雄としても申し分ない。まあ、もうちょっとガツガツして欲しいところだが、英雄もいろいろ。オレの槍となってくれればオッケーだ。


 魔力を雪の上に張り、地面を走る速度で迫る──が、男はなんと逃げてしまった。なんでや!?


「イビス!」


「了解!」 


 オレの叫びを理解し、二人で迷彩空間から飛び出した。


「イビスはケダモノを排除して! ボクはジェスを追うから!」


「了解!」


 ジェスの後を追うためにイビスと分かれる。


「飛行魔法!」


 歩くのメンドクセー! で、生み出した飛行魔法。ただコントロールが難しいので三十キロも出せなかったりする。いや、人は飛ぶようにできてないって痛感しましたよ。


 ってか、木々が生い茂る中では三十キロでも難しいわ。シルバー置いて来たの後悔だよ!


 万能偵察ポッドがあるから見失うことはない。安全飛行で参りましょう。


 で、二十分くらいでジェスに追いついた。


「まったく、高レベル同士の戦いはキッツいわ~」


 戦うなら狭い空間でやってくれだよ。


「ジェス。捕まえた?」


「ああ。捕まえた。膝から下はないがな」


 見れば両膝から下がナッシング。そして、なにも問題ナッシング。


 回復魔法で止血。後ろで腕を拘束。舌を噛まないように……なんかないか? と口に詰めるものを探していたら、ジェスが落ちていた枝を集めて口に突っ込んでパンチ一発。昭和の不良か。

 

「これで舌を噛むこともないだろう」


 容赦ねーな。まあ、してやる必要もないけど。


「ジェス。殺さないよう町に運んで」


 一応、回復魔法をかけておく。死なれちゃ困るからな。


「任せろ」


 男の後ろ首をつかみ、物でも運ぶように引きずっていった。


 ってか、町で待ってればよかったんじゃね? とか思ったけど、無理矢理振り払ってジェスのあとに続いた。


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― 新着の感想 ―
[一言] 守護天使さん・・・重要情報ギリギリまで知らせてくれないの、絶対わざとだろう。
[一言] そこはさよならした足から靴下を剥ぎ取って詰めるのが(鬼)
[一言] >ジェスが落ちていた枝を集めて口に突っ込んでパンチ一発。昭和の不良か。 不良漫画で電球咥えさせてパンチっていうのを思い出しました…あなおそろしや
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