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ウェルヴィーア~邪神と戦えと異世界に放り込まれたオレ(♀)の苦労話をしようか  作者: タカハシあん


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125 遊撃隊

「いつの間にか冬が過ぎ去ってしまった」


 八歳になったことも忘れて創り続けた日々。オレはなんのために生まれて来たのかと落ち込んでしまうわ。


 雪が解け始め、そろそろ災害竜退治のための準備をしなくちゃならない。激動すぎるわ。


 愚痴の一つでも吐きたいが、出発の日は近づいている。愚痴る前に働けだ。


「リン様。人員を選びました」


 四阿で準備に勤しんでいると、ジェスたち隊長格がやって来た。


 まだ人選してなかったのかよとお叱りを受けそうだが、いきたいと言うヤツが多くてなかなか決まらなかったのだ。


 人員は百名。本当なら神の武器を持つ者だけと考えていたら、おれもわたしもと膨れ上がり、二百名近くまでなった。


 たが、それだけを賄えるだけの食料や武具を用意するのは不可能。なので、百名までに絞ったのだ。


 ……まあ、オレは絞れと命令しただけなんだけどね……。


「ご苦労様。先発隊を出して災害竜が見える場所に橋頭堡を築いて」


「あ、あの、先発隊は別の者をいかしてもいいでしょうか? どうしてもいきたいと言う者が多くて……」


 それを抑えるのが君の仕事でしょうが。


「ダメ。いく者から選んで」


 余裕ないから百名なんだよ。わかれよ。


「……わかりました……」


 まったく、君は英雄になるんだからしっかりしてくれよ。女の尻に敷かれるんじゃなくハーレム作るくらいになれや。


「リン様。どうにかならないの? 不満が抑えられないのよ」


「無理なものは無理。百名が限界」


 ハリュシュの嘆願をバッサリ切る。オレは妥協はしません。


「何度でも言う。災害竜との戦いは被害覚悟の戦い。死んでも構わない者だけ。すぐ死ぬ者はいらないし、ここを守る者も必要。惜しまない数が百」


 最悪、ジェスが残ればいいと覚悟しているし、建て直せる人選もしてある。憂いはありません。


「死ぬのが嫌な者が譲ればいい」


 まず、神の武器を持ってるヤツは譲らないだろう。狂○者とか頭のネジが緩んでるからな。オレには理解できんよ。


「もし、無断でついて来たらグランディール傭兵団からも町からも追放するから」


 なあなあにするつもりはない。軍規の乱れは心の乱れ。許すワケにはいきません。


「規律も守れず躾の成ってない獣はグランディール傭兵団にはいらない。リンに二言はない」


 不満そうなので再度告げる。オレは言ったことは守る女です。


「わかりました! 規律を守らせ躾ます!」


 ジェスがそう宣言し、下がっていった。まったく。困った連中だよ。


「厳しいんじゃない?」


「緩くした分、リリーの負担になるけど?」


 守護天使のクセに夜は寝るとかどうなのよ? オレを守るなら二十四時間休みなく馬車馬のようにコピーしろや。


「規律や躾は大事よね。うんうん」


 あっさり手のひらを返す守護天使。いい根性してるよ、まったく……。


「リン。災害竜退治にいきたいって者がいるんだけど?」


 やれやれ。今度はねーちゃんにすがったか。


「わかった。ねーたちが貯めた魔力を半分使うから」


 二人が貯めた魔力はちゃんと把握している。お互いの魔力を半分も使えば十人くらいは増やせるぜ。


「あ、いや、うん。それはしょうがないよね。諦めてもらおうな、ミュー」


「あ、うん。そうだね……」


 同意を求められて戸惑うミューリー。うちのバカ姉がご迷惑おかけしてすみません。


「ボス。災害竜退治にいきたいって者がいるんだけど?」


 またかい。ほんと、諦めの悪いヤツだよ。


「今から寝る間を惜しまず銃を出すなら可能だけど」


「無理ってことだな。了解了解。じゃ──」


 颯爽と去っていくイビス。少しは抵抗しろよ。寝る間も惜しまず銃を出させるのによ。


「これ、どうあってもついて来るわね」


 だな。まったく困ったヤツ、いやヤツらだよ。


 誰が諦めないかはとっくに調べてあるし、ジェスたちにも伝えてある。それなのに諦めないんだから困ったもんだぜ。


 追放するのは簡単だが、それで団内に不協和音が生まれたらそっちが困る。一致団結を維持する苦労を知りやがれってんだ。


「ジェス、ハリュシュ、来て」


 ちなみにカイドのおっちゃんは先発隊で出てます。


「遊撃隊を組織する。三十名選んで災害竜がいる周辺を探らせる。邪神の揺り籠があるかもしれないから」


 やって来た二人にそう告げる。


「邪神の揺り籠ですか?」


「あるの?」


「それを探るための遊撃隊。あと、リンたちが負けたときの備え。残った者が逃げるために時間を稼いでもらう」


 別にウソは言ってない。オレならやる。後方撹乱のためにな。


 まあ、一応的に対策もしてはいるが、災害竜さえ倒せたらなんとかなるもの。それほど重要視はしてない。まあ、やらせて損はないくらいのものだ。


「食料は出せないから各自で揃えさせて」


 三十人分の食料を買えるだけの金を渡す。食料調達がどれだけ大変か理解しやがれ。


「ありがとうございます」


「ありがとう」


 オレの意図を理解したのか、二人が礼を言って来た。


 あとは知らんと手を振って下がらした。


 これでもついて来たら本当に追放するからな。


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― 新着の感想 ―
[一言] つまりリンちゃんをprprするとココアの味が(ry
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