25.雪祭り
雪祭り。
毎年冬にシルヴェ・ティティアで開催されている祭り。
通りには屋台がひしめき合い、ここぞとばかりに観光客の腹を迎え撃つ。
また街内外から募られた参加者による雪像がいくつも並び、その出来を競い合う。
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次男に怒られた。
お忍びで見に行った雪祭りの準備で怪しい動きをしていた連中がいて、ちょっとのつもりでラウラの眼が離れた隙に着いて行って。
うっかり魔眼で見えたまま「雪像の中に横領金を隠しているのか」と声をかけて攫われてしまったのが、つい昨日のこと。
監禁先の倉庫の壁をぶち破った巨大な魔法の氷柱と共に次男が現れたのが、つい未明のこと。
本当、しくじったと思う。どうして黙ったままつけられなかったのかしら。
怒られると思ってこれは言わなかった。でも攫われたのがわたくしだったから事件が早期解決したとうっかり言ってしまって、次男からもっと怒られた。
我らがご当主様の前で、それだけは口にするなと。
犯人たちは氷漬けにされていて、その前には表情を失くした銀雪姫が立っていた。
死んだのかと聞いたら、それは辺境伯次第だと言っていたから、彼らは街の人間に知られることなく処分されるのだと思う。
倉庫にはランタンすらなくて身体が上手く動かなくなっていたから、次男が担いで帰ってくれた。
後遺症が出てしまうだろうかと口にしたら、わたくしには銀雪姫の祝福がかけられているからすぐに元に戻るだろうとのことだった。
城に戻ると、お父様が物凄く怖いお顔をしていらした。
ひとまず無事でよかったと仰っていた。沙汰は回復してからだと。
ラウラは子どもみたいに顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。泣き過ぎて、酸欠でぶっ倒れて運ばれていった。
今回の罰で、ラウラは暫くわたくしの側近から外されてしまうらしい。
ただでさえルカード家は元夫人が起こした騒ぎの所為で、肩身が狭くなっていたのに。
本当に、ごめんなさい。




