21.大聖堂
大聖堂。
世界を創り給うたメガミの娘であり、ミラ・ブランシェの初代国王である女王アディラを称えるための建築物。
女王教の領分にあり、ミラ・ブランシェの貴族の領主城であれば、大なり小なり聖堂が置かれている。
特に王城、筆頭公爵領主城、シリウス辺境伯領主城が有するものは長い歴史を持ち、かつ広大なため、三大聖堂と呼ばれている。
様々な節目の行事を行う際にも利用され、ミラ・ブランシェの国民のほとんどが、最寄りの大聖堂で婚姻の儀式を行うとされている。
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今日は長男の結婚式だった。
お相手はシルヴェ・ティティアの北の外れの薬屋の娘。ルーグィス家の縁者で、わたくしも林檎収穫で怪我をした際の応急処置で何度か訪ねたことがある。
ルーグィス家嫡男の結婚ということで、大聖堂には一族が勢揃いだった。
ほとんど領内に住んでいる筈なのだけれど、シリウス辺境伯領は広いから年単位振りに会う顔もあった。
シリウス辺境伯家の特徴である白みの強い金や銀の髪と、青みの強い目が揃っているのは、なかなか圧巻だったわ。
結婚式の参列者は花の色の服を着ることが通例だけれど、紅涙林檎の薄紅色だったり、ラベンダーの紫だったりが多かった。
わたくしのドレスは、わたくしの名にもなっているリラの赤紫色。いつも髪は適当にしているけれど、今日は晴れの日だからと、ラウラたちにうんと可愛くして貰った。
主役の衣装が白いのも通例通りだけれど、飾りにお揃いのレースを使っていた。花嫁が昔王都で見て憧れていた職人の品を、花婿が手配したのですって。
花婿側が花嫁の支度に手を出すのは珍しいけれど、二人は幼馴染だもの。確かに長男は花嫁の『それまでに関わった存在』でもあるわね。
何はともあれ、おめでとう。二人の未来に、数多の幸があらんことを。




