62 風集
よろしくお願いします。
エリオットが盾を一枚づつ破壊していく。
それに続いてカロッサの風の者達が傭兵達の手足にクノーを投げつけ、動きを止めようとしている。
然し、傭兵達は100人、時間がかかり過ぎる。
エリオットはクノーを投げながら城内の様子を念通力で知ろうとする。
城内での戦闘光景が瞼に浮かび上がると、
「苦戦している、このままでは間に合わない」
エリオット、苦しげに呟く。
さらにそこへ、後方から強い妖力を感じる。
モロア達が撃ち漏らした妖魔共である。
「いかん、ここで妖魔だと」
パステルナーク達が命懸けで戦っているというのに、敵の数が多過ぎる。
しかも、そこへ妖魔共が現れるだと。
エリオットくらいの風の術使いが三人いたのならまだしも、ネルーダの風の者達はカロッサの風の者に比べて遥かに術が未熟である。
「どうする?」
エリオットは自分に問いかける。
そこへ妖魔が瞬間移動でエリオットの前に現れる。
「考えても無駄ということか」
エリオット、片手を妖魔に翳し、破岩術を浴びせ掛けようとするが、そこへもう一体の妖魔が現れ、鋭い爪でエリオットの術を阻もうとする。
エリオットは軽々と妖魔の爪を躱すが、破岩術を使えない。
「多勢に無勢だ」
そう言いながら、妖魔の爪を躱した後で、翳していた片手を握りしめる。
目の前の妖魔の動きが止まった、が、先ほどの妖魔が再度爪を入れてくる。
エリオット、思うように動きがとれない。
二度目の爪を手に持っていたクノーで受ける。
前方の妖魔の動きを止めることはできたが爆裂できないでいる。
受けるのみ、攻撃ができない。
その間にも傭兵達が迫って来ている。
さらに三度目の爪がエリオットを切り裂こうと振り上げられた時、妖魔の動きが止まった。
「遅くなりました」
爪を振り上げた妖魔の背中には数十本ものクノーが刺さっている。
妖魔の背後に数えて十人以上の念を感じる。
「エリオット様、援護します」
各国に散らばっていたネルーダの風がモロアの念通力による指令とともにここに集結した。
「動ける」
エリオットは微かに笑みを浮かべながら、
「傭兵達を任せる、クノーに念動力を仕込め、あの程度の盾なら破壊できよう、破壊できるまで何本もクノーを打ち込め」
「やってみます」
そういうと十数人の風の者達が一斉に傭兵部隊の中に切り込んで行った。
その背後では、大きな音とともに血飛沫が昇る。
エリオット、自由に動けると破岩術を使える。
ありがとうございました。




