61 三つ
よろしくお願いします。
途中からエリオットは念動力で動かず、二本の足で走り出す。
前方に傭兵達が見えるが、何故か違う気配を感じる。
念を感じる・・・。
先頭で小さな爆炎が上がる。
傭兵部隊の前方にモロア、オルダン、カエルダン、が飛び出し念動力を込めたクノーを放っている。
エリオットは瞬足で走り出し、モロア達に合流を試みる。
エリオットの気配を感じたカエルダンが振り向き、他の二人の風の者に叫ぶ、
「エリオット様が来てくださったぞ」
「なんと、エリオット様が」
モロアが答える、答えて口から血を吐く。
エリオット、その言葉に答えずに三人を追い越しクノーを投げる。
念動力は仕込んでいない。
傭兵達は、まだ人である。
中には金のため、家族を養うために志願した者もいるであろう。
人を殺めるということは、それらを充分に理解したということである。
が、しかし、クノーが傭兵達の持っている盾に刺さりもしない。
「クノーが効かぬ、どういうことだ」
ゆっくりと前進してくる傭兵達から、一旦、身を引きモロア達の元へ下がる。
「エリオット様、クノーに念動力を仕込んでください」
妖魔に斬られたのであろう肩の傷口から血を流しながら、オルダンがさらに言う、
「彼らの盾は、妖魔の鱗で作られています」
「なるほど、そういうことか」
エリオットは頷くと、クノーを一本、念動力をこめて振り上げた手を勢いよく前方へ振り出す。
投げ放たれたクノーが一人の傭兵の盾に突き刺さると爆炎を上げる。
傭兵は爆発に耐えきれず、持っていた盾が舞い上がる。
舞い上がった盾には亀裂が入ってる。
「よし、行くぞ。私は盾を破壊していく。お前達は傭兵の手足を狙え。傷を付けても命は奪うな。彼らは人だ」
「承知」
エリオットを先頭に風の者達が走る。
ありがとうございました。




