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50 カロッサの疾風

よろしくお願いします。



 「走れ、このまま王都を目指す」


 パステルナークの声に全員が頷く。


 風の者独特の走り方である。

殆ど地面に上体が着きそうなくらいに姿勢を低く保ち、腕は振らない。

どんなに健脚な者でも、王都までは十日以上はかかるであろう。

風の者達の走り方であれば、眠らずに走り続け、王都までくらいなら一日で疾走できる。


 然し、疾走する一団を待ち伏せていた妖魔共が、過ぎ去ろうとする道で出合頭に容赦無く爪を振ってくる。

が、この王都へ向かう一団は妖魔共を相手にしていない。

素早く身をかわし、まっしぐらに王都を目指す。


「相手にするでない、我らポーを倒すことだけを考えよ」


 パステルナークが念通力で指揮をとる。


 一方、この時代の風の者達は、最後尾を走り、パステルナーク達を追いかけようとする妖魔に向かってクノーを放つ。


「させるか」


 モロアが振り返り、宙を舞いながらクノーを投げ掛け、オルダンとカエルダンは地上から何本ものクノーを放っている。


 妖魔達に瞬間移動させる時間も与えない。


「良いか、エリオット様のクノーに習え。クノーに出来るだけの念を込めよ」


 オルダン、カエルダンの投げたクノーが小さな爆炎をあげる。


 その様子を後にして、ネルーダの風の者達三人を残して、爆炎を背中で感じながら、カロッサの風が吹き去っていく。


 人の頬をすり抜ける風のように、目に見えぬ速さでカロッサの疾風が過ぎ去っていく。

ありがとうございました。

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