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38 裏切りを知る者

よろしくお願いします。



 ちょうど、ブランジャンが王の間を引き下がろうとしていた時だった。


 霧が王の間を覆ったかと思うと、一点に集中するように霧が吸い込まれていく。

それと共に見窄らしい姿をした四人が王の間に突如として現れる。

一人はマントの下に剣を携えた青年、二人の少女、そして成人した女。


「何者」


 と王が叫ぶ。


 ベディエがマントの前を片手で軽く広げると剣を見せる。

剣の柄の先にある紅色くれないいろの原石が光りだす。


「王へ、進言の義ありて、申し上げます」


 剣に変わったパステルナークが、念通力を使わずに、念動力を使って原石を震わせながら、人の言葉で喋り出す。


 そこへ、


「王へ、此の者達こそフロサンを破壊した者達に相違ございません。直ちに人を呼びましょうぞ」


 ブランジャンが叫ぶと、


狼狽(うろた)えるなブランジャン。いや、キンモ。その人の姿、元に戻してやろうか」


 パステルナークが言うと、ブランシュが既に袋から取り出して用意していたクノーをブランジャンに向かって、持っている力の全ての力を込めて投げつける。


「ブランシュ、どうしたの? 何があったの?」


 ブランシュのいつもより強く投げ放たれたクノーの勢いに驚いてイズーが声を掛ける。


「あいつ、私と似たような名前なのが気に入らないのよ」


 イズーは呆気に取られたような顔をしている。

然し、精一杯の力で投げ放たれたクノーも三本のうち二本がブランジャンの片方の手で払い除けられる。

ただし、大きな爪の付いた手に変化して。

残りの一本は反対側の腕に当たるが、鋼鉄の鱗でできた皮膚に弾き返される。

腕に当たったクノーがブランジャンの衣を切り裂き、鱗だらけの皮膚が露になる。


「これは」


 と王の言葉が口から漏れる。


「見ての通り。此の者、妖魔でございますぞ。王よ、気を付けられよ」


「ヨクモ カゼノモノ ドコカラキタ ヨウシャハセヌ」


 人の姿から妖魔の姿に変化した側近の者ブランジャンがベディエの頭上を越えて王へ襲い掛かる。


「ブランジャン、これはどう言うことだ」


 王が叫ぶ。


「見て分かりませぬか」


 パステルナークが人の言葉で叫ぶ。


「モハヤ キサマ ツカイモノニナラナイ シネ」


 ブランジャンから妖魔に姿を戻したキンモが王に向かって言う。


 そこへ、マントを脱ぎ去ったエリオットがクノーを投げつける。

王へ影響がないように最小限の念動力を仕込んでのクノーである。

振り返ってクノーを払い除けようとしたキンモの腕でクノーが小さく爆発する。

更に其処へ抜刀したベディエが走り寄り、弧を描くように剣を上から振り下ろす。

得意の剣の突きは入れられない。

キンモの後ろには王がいる。

躱されれば王に傷をつけることになりかねない。

もう一度、水平からの一撃を入れようとしたが、それも躱されてしまう。

その間にエリオットがキンモの背後に回る。

キンモを襲うつもりは毛頭ない。

王を両腕でしっかりと抱くと満身の力を込めて上へと跳ぶ。


「ベディエ様、今だ」


 王さえ近くに居なければ思う存分に剣を振ることができる。

エリオットが叫ぶと同時に、ベディエ得意の突きを入れる。

キンモの脇腹を剣が貫くが、キンモはまだ倒れない。

ありがとうございました。

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