33 時の扉への扉
よろしくお願いします。
嘗て神殿の森と呼ばれていた場所を目指してパステルナークと四人が歩いている。
エリオットは疲れ果てたイズーを背負っている。
「イズー様、破岩術は、もう使ってはいけませんよ」
「うーん、使わないと思う。こんなに疲れちゃうんだもの」
「それで良いのです」
皆は静かに歩を進めている。
それぞれに、戦いをやりきった笑顔が見られる。
然し、パステルナークだけは黙したまま、気分が沈んでいるかのようにも見える。
「パステルナーク様」
エリオットが問いかける。
「エリオット、おかしいと思わないか」
「それは?」
「簡単すぎる。我らは本当にポーを破ったのか」
「はい、あの妖魔は私達を知らないようでしたが」
「そうだ、然し、それよりも、あのポーがこんな簡単に敗北すると思うか」
「はい、私もそう思っているのですが、目の前で爆裂した姿を思い出すと」
「そこだ」
パステルナークと四人は、嘗て神殿の森と言われていた森に着くと、奥深くへ入って行く。
ベディエが破邪の剣を大きな木の根本に置くと、皆は立ったまま黙禱する。
暫くしても何も変化が訪れない。
どれだけ待っても変化は訪れず、ブランシュが目を閉じたまま呟く。
「私達、帰れるのかしら」
「静かに」
ベディエがブランシュを制する。
そしてエリオットも言う。
「静かにしましょう」
と。
その直後、パステルナークが念通力で語り出す。
「皆の者、よく聞きなさい。我らは未だカロッサには帰れない」
「どう言うこと?」
ベディエが心配そうに聞く。
「今気付いたのです。これだけ祈っても三神からのお導きが全く無い、それは、我らの戦いは終わっていないということです」
「パステルナーク様」
「エリオット、気付いたか。お前の心が読める。その通りだ、あの華やかな街は、妖魔どもに仕組まれた罠だ」
「では?」
「そうだ、妖魔達は既に王都を支配している。行くぞ王都へ」
ありがとうございました。




