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29 噴水は突然に

よろしくお願いします。



 街の中心、噴水のある広場。

そこへ剣と四人が姿を現した。

途端に九体の妖魔が現れ、剣と四人を囲む。


「キュウビ」


 パステルナークが叫ぶように言う。


「オマエタチ、ムシカゴノ、ムシ、ココカラ、サキニハ、イケナイ」


 妖魔の一体が言う。


「エリオット、心してかかれ」


 パステルナークの言葉よりも早くエリオットは大地を蹴って、空高くで回転し、次々とクノーを放ち出している。

エリオットの放ったクノーを妖魔達が交わしている間にベディエは抜刀し正面の妖魔に突進する。


「ブランシュ、クノーを投げて。お兄さんの援護射撃よ」


 ブランシュは既に片手に持っている三本のクノーを放つ。

行方を掴めない三本のクノーが空中であたふたと飛んだかと思うと、急に速度を増し、一体の妖魔を追いかけるようにして加速し、その妖魔の腹部に三本とも突き刺さる。

その時、ブランシュの横でイズーが両手を出して顔を歪めている。


「イズー、どうしたの?」


「破岩術よ」


「あんたにそんなの使えるわけないじゃない」


「オノレ、コムスメガ」


 クノーを突き刺された妖魔が二人の少女に向かってくる。

エリオットは急降下する。

二人の前にエリオットが着地し、一本のクノを投げる。

クノーは妖魔の胸に突き刺さる。

エリオットは再び空へと舞い上がる。

エリオットが空へと飛ぶと、二人の少女の前にエリオットのクノーを刺された妖魔が現れる。

二人の幼き少女は口を開いて眼前の敵を見ているだけに過ぎない。

だが、そして、妖魔が爆裂した。

エリオット独自の破岩術、クノーに念動力を溜め込み、そして投げる。

行き場の失った念動力が、クノーから妖魔の体内へ放出される。

そして、そのクノーを刺された妖魔の体内で激しい爆発が起きる。


「私もやってみる」


「ダメよ、そんな暇なんかある訳ないじゃない」


 ブランシュがイズーに言う。


 別の場所では、ベディエの上段に構えた剣が美しく弧を描くように一体の妖魔の頭上で舞っている。

妖魔は念動力で移動し剣を簡単に避ける。

当然のこと、既に妖魔はベディエ、いや、風の者達の攻撃、手順を知っていた。

しかし、次に現れる時は何処だ、ベディエは気配を読むために一瞬だけ目を瞑るが、


「お兄様、正面よ!」


 とブランシュの声が聞こえたかと思うと、ベディエは真っ直ぐに剣を突き出す。

妖魔はベディエの正面に現れたと同時に、ベディエの突き出した剣で首を貫通されている。


「ワレラ、ウゴキ、ナゼヨメル」


 喉を貫通する剣を受けても、胸を震わせて妖魔が最後の言葉を放ちながら地面に倒れる。


ありがとうございました。

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