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23 闇を斬る音は無し

よろしくお願いします。



 先頭から二番目を走っている妖魔が言う。


「フ、フ、フ、マカイノオウサマガ、イッテイタ。カゼノモノ、キヲツケテ、カカレト。タイシタコトナイ。ワレラ、ネンドウリョクヲ、ツカッテ、ムカッテイルノニ、キヅキモセズ、ネンドウリョクナシデ、アルイテイル」


 三番目を走っている妖魔がそれに答えて言う。


「ソウダ、タカガ、コドモ、ヒトリ」


 四番目と五番目を走っている妖魔が前を走っている二体の妖魔の会話を聞いて楽しそうに笑っている。

然し、背後の会話を聞いている先頭に立つ妖魔が言う、


「アンシンスルナ。バットウ、シテイル、ワレラノ、ソンザイ、キヅイテイル、ソウオモエ」


 その瞬間、妖魔達の念通力の中でベディエの気配が消えた。


「キエタ?」


 二番目を走っている妖魔が言ったかと思うと、先頭の妖魔は、すれ違う強い念動力を感じる。

パステルナークの強力な念動力である。


「シマッタ、ウシロカ」


 刹那、最後尾を走っている妖魔が軽い叫び声をあげる。


「イタイ」


 叫んだ妖魔の身体から火花が飛び散っている。


「オノレ、ニンゲン」


 身体に生えている鋼鉄のような鱗に傷をつけられた妖魔の長い爪が、背後で剣を構えているベディエを襲う。

鋭い爪がベディエの頭上に振りかざされた時、ベディエの剣が一直線に妖魔の喉を突き刺す。


「ロルカが嫡男ベディエ、母、パステルナークの剣が威力、思い知ったか」


 ベディエが叫びながら、剣を妖魔の首から音も無く、抜く。


既に、先ほどまでの不安は、不思議なほどに消え去っている。


 先頭の妖魔が移動速度を緩めずに、今となっては最後尾となった四番目を走る妖魔に命令する。


「キ、オマエガイケ、ワレラハ、サキニイキ、コウホウノサンニンヲ、ヤツザキニシテクレル」


「ワカッタ、ウ、カエリウチ、マカセロ」


4番目を走っていたキと呼ばれた妖魔が、先頭を走るウと言う名の妖魔に答える。


ありがとうございました。

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