24 青眼から
よろしくお願いします。
ベディエはパステルナークの念動の力を借りて、先頭の妖魔に追いつこうとする。
ベディエが念動力で走り出し、先頭を行く妖魔を見つける。
然し、その最後尾に走っていない妖魔、キ、が背中を見せて立っている。
待ち伏せである。
ベディエはその妖魔の背後から縦一文字に斬りつけようと右手で剣を上段に振り上げる。
然し、ベディエの間合いに入る前に、妖魔の長い爪の間合いに入っていた。
妖魔は振り向きざまに長い爪を横殴りに振ってくる。
咄嗟の出来事にベディエは剣を上段に構えたまま防ぐことができない。
妖魔の爪がベディエの横腹を捉える。
鈍い音がする。
ベディエは堪らず横腹を空いている方の手で抑えるが、妖魔の爪ではなく、しなやかな鞘を感じる。
鈍い音、それは朱色の鞘が妖魔の爪を受け止めている音。
「母さん」
そう呟くとベディエは上段から袈裟懸けに剣を振り下ろす。
妖魔は反対側の腕で剣を受けようとする。
ベディエの剣は妖魔の腕を掠っただけで、小さな切り傷しか付けられていない。
ベディエの振り下ろされた剣は中段で止まり青眼の構えに変わっている。
その隙に先程ベディエを襲った方の手の鋭い爪が、もう一度ベディエを襲う。
然し、青眼に構えられた剣が、それよりも早く妖魔の喉を突き刺していた。
ベディエ、もとより上段から振り下ろした剣で斬ろうとは思っていない。
斬ると見せかけて、青眼に構えを戻し、そこから突きを入れるつもりであった。
ベディエ、得意の突きである。
妖魔の首から血飛沫が上がるが、喉から抜かれた剣には、血の一滴も付着しておらず、美しく光っているだけである。
ベディエは剣を朱色の鞘に収めると。
「母さん、先を急ぎます」
「そうしなさい、既に妖魔達はエリオット達と接触しているはず、急ぎましょう」
ありがとうございました。




