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07

 女の子と、手をつないでいるという嬉しい状況を手放せず、とりあえず街までは、という言い訳を何度も頭の中で繰り返して、僕は王都までやってきた。何とも情けない。

「ここが王都ですよ」

 嬉しそうにジョマが僕に笑顔を向ける。確かにすごい活気だ。お祭りでもしているのだろうかと思うほど、所狭しと市場が広がっている。

「すごい……お祭りでもしてるの?」

 僕の問いかけに、ジョマがおかしそうに笑う。

「王都は初めてですか? 通常通りでお祭りはしてません」

 まだ笑い足りないのか、ジョマは抑える様にしてクスクスと笑っている。僕は田舎者感を丸出しにしてしまったらしい。でも僕が暮らしていた田舎は、人がたくさん集まるのは、お祭りの時だけだった。何にもない日に人は集まらない。そういう所で育ったのだから、しょうがない。

「あとで、見て回りましょうか」

 ジョマの言葉は妙に、あとでの部分が強調された様な気がした。

「さぁ、事務所に行きましょう」

 僕が疑問を感じても、質問をさせないようにしているのか、ジョマは急ぎ目に僕の手を引っ張る。

「事務所? まだ、騎士団に入るとは」

「まぁまぁ、ここではなんですし、とりあえず事務所に」

 少し強引めに、僕の手を引っ張るジョマ。僕が、本気で抵抗していいものか迷っているうちに、事務所についてしまった。

「ここが王国騎士団の事務所?」

「はい、事務所です」

 僕の疑問に、少しぎこちない笑顔で答えるジョマ。そういえばつないでいる手が、少し汗ばんでいる気がする。本当にここは、王国騎士団の事務所だろうか。王国とつくものだから、城に事務所があるかと思っていたけど。それに人の出入りが全くない。誰も居ないのではないか。

「本当に王国騎士団の事務所?」

「は、入りましょう」

 僕の問いかけをスルーしたジョマは、少し目が泳いでいる気がする。手を振り払うのも気が引けて、結局、僕はジョマと一緒に中に入った。

「特殊捜査室?」

 中に入る時、そう書かれた表札があるのを見た。一応、王国騎士団とついていたから、騎士団で間違いはないのだろうけど。

「い、言ってませんでしたっけ?」

 聞いていない。完全に目が泳いでいるジョマ。そもそも入るとは、まだ言っていない。

「ちなみに、どういう部署で?」

「えーと」

 ジョマが僕の問いかけに、さらに汗をかき始める。僕にはそれが、必死で言い訳を考えているようなそぶりに見えた。

「特殊な事件とかぁ、謎の事故とかぁ、そういうのを押しつけ……じゃなかった、担当するとこでぇ」

「え? 今、押し付けって言ったよね? 押し付けられてるって言いかけたよね?」

「な、何の事でしょうか?」

 ジョマはもう完全に僕を見ておらず、その視線は、明後日の方向を向いている。握っている手も、ビショビショ。

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