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知識チートで推理無双?!~特殊捜査室事案対応ファイル~  作者: 高岩 唯丑
悪魔のささやき、あるいは女神の……
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「酒場に解決祝いに行きますか! ロク」

 そう言いながらジョマは、僕の側に歩み寄ってきて、腕を絡ませてきた。胸が当たっている。

「い、いやまだ勤務中だし!」

「そうですよ! 勤務中です! ジョマ、離れなさい!」

 僕の事を援護射撃してくれるレストルア。しかし、なぜかそのまま、僕を挟むようにジョマの反対側に回り、腕を絡ませてきた。言葉と行動が合っていないような。そして、つつましいが確かに存在する胸が当たっている。

「言葉と行動が合ってないんですよ! この発情犬!」

 ジョマの言葉に、レストルアは一瞬たじろぎつつ、応戦していく。

「はっ発情なんてしてません! ジョマの方こそ、発情しているのでは?!」

「私は経験豊富なので、この程度いつもの事ですぅ」

「ぐっ……ハレンチエルフ!」

「エルフはたいがいハレンチなんですぅ」

 渾身の悪口のつもりだったらしいレストルア。それに対して普通に返すジョマ。というかなんという偏見だろうか。しかもそれを、エルフが言うのか。言葉を失っているレストルアに勝利の微笑みを浮かべて、ジョマは歩き始める。それに引っ張られる形で僕も歩き始めた。さらにレストルアも僕に腕を絡めているから、一緒に歩き出してしまう。

「解決祝いです、解決祝いぃ」

 上機嫌のジョマが、僕とレストルアを引きずる様に進んでいる。

「だから、勤務中ですよ!」

「そうだよ!」

 僕とレストルアは、二人で踏ん張るけど、全く歯が立たず引っ張られていく。

「こうなったら、私も行きます、ジョマとロクを二人っきりにしたくない」

 レストルアが決意する様に言葉を発する。ただ最後の方だけ、ごにょごにょと言っていて聞こえなかった。

「あぁん、発情犬も来るんですか」

「監督です! 難事件を解決したので、少しくらいは良いとしても、行き過ぎない様に私が見張ります!」

 レストルアの言葉に、ジョマは一瞬だけ照れくさそうにして口を開く。

「まぁ、レストも少しは役に立ちましたし、いいですよ」

 すぐに元の表情に戻ったジョマが、特殊捜査室のドアを開けた。


※


 結局、少しだけにならず、夜になってしまった。

「うぃぃぃ」

 ジョマはジョッキを握り締めながら、机に突っ伏して、謎の声をあげている。

「はぁ」

 レストルアは手のひらをおでこに当てて、ため息をついた。そうは言っても、反対側の手には、しっかりお酒のグラスが握られている。

「結局こうなってしまいました」

 レストルアの言葉に、僕は曖昧に返事をしつつ、苦笑を浮かべた。まぁこういうのもたまには悪くないのでは。そんな事を考えている内に、レストルアもいつの間にか、机に突っ伏していた。

「……マジか」

 二人も運ばないといけないのか。

「はぁ」

 僕は現実逃避する様に、思考の中に身をゆだねる。ハルソンのあの言葉についてだ。

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