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知識チートで推理無双?!~特殊捜査室事案対応ファイル~  作者: 高岩 唯丑
悪魔のささやき、あるいは女神の……
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06

 ハルソンは、その笑い方が染み付いているかのように、自然に力ない笑顔を浮かべる。

「嫉妬も無駄と思える位に、圧倒的な差を見せつけられていたけどね」

 それだけ言うと、ハルソンは体を反転させて、僕たちに背中を向けて歩き出す。

「邪魔したね、そろそろ行くよ」

「はい……いろいろ、すみません」

 僕の言葉に反応して、ハルソンは一度こちらを振り向き、微笑んで軽く会釈をして、行ってしまった。

「殺人の線が濃厚ですかね……良い仕事したでしょう」

 ハルソンの背中を見送った後、ジョマが誇らしげに胸を張る。どうだろうか。嫉妬に関してはそもそも疑っていたから、新事実という訳でもない。ハルソンが何かボロを出していたかというと、そうでもない。ただ、気分を害する事を言っただけにも思える。

「まぁ」

 あまりにもジョマが誇らしげにしているから、僕は曖昧な返事に留めた。

「さぁ、帰りましょうか!」

 帰るのをもう邪魔されたくないのか、ジョマは僕の手を掴んで、急かすように引っ張る。僕は仕方がないなと、少し呆れつつ、歩き出した。

「ふふん、今日もよく働きました」

 鼻歌混じりのジョマが上機嫌に言う。まぁ確かに良く働いた。徹夜明けにこたえたのも確か。僕が「そうだね」と答えると、ジョマが満面の笑みになる。

「では! 仕事終わりの一杯といきますか!」

 心底嬉しそうに、ジョマがジョッキを掲げる様なしぐさを見せた。上機嫌なのは、理由をつけて飲みに行く為だったか。エルフの癖に、清廉潔白のかけらもない。

「今日も行くんだ……まぁ、個人の自由だし、楽しんできてね」

 ある意味スゴイ体力だ。僕は徹夜と一日歩き回ったせいで、体がガタガタ。早く帰りたい。すると、僕の言葉にジョマは不思議そうな顔をして、口を開く。

「何を行かない感じの空気出してるんです?」

「え?」

「ロクも行くんですよ?」

 また、僕に世話をさせる気か。僕がいれば、帰れないほど飲んでもいいと思っているのだろうか。そうはさせまいと、僕は反撃する。

「それ、仕事ですか? 残業代出るんですか?」

 一瞬たじろいだジョマだったけど、すぐに持ち直す。

「若造がガタガタと、うるせぇです! 先輩が飲みに行くぞと言ったら、二つ返事で、お供します! でしょうが!」

 微妙な小芝居を挟みながら、ジョマが昔のおっさんみたいな事を言う。こんな可愛い見た目だけど、実は昔にこの世界に転生してきた、おっさんなのでは無かろうか。

「行きますよ!」

 すでに、腕を掴まれていたから、逃げる術はなく、僕はおとなしくジョマの後に続いた。昨日の悪夢が僕の頭を過って、ため息が胸の奥底から、沸き上がってくる。

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