表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/67

第64話 B級中位・超大規模ソルクティス

やはり生活がかなり詰まっているので投稿頻度落ちます。

しばらくは週一以上投稿出来たらいいなと考えています。いつか元のペースに戻せるようしっかり生活に馴染みます。

─────そして、現在に至る。


「ギリギリセーフってとこかな?」

「御織!助かったぜ!!」


 さっきまでの緊張感から一転、黎翔の顔が一気に綻んだ。

 目の前に、御織がいる。それだけで安心出来るのだ。


「悪ィな虹崎、待たせちまッてよォ」

「全然大丈夫。ナイスタイミングだよ、紀章くん」


 紀章は、少し申し訳なさそうにしていた。妃はそれを気にせず、笑いかけていた。


「さて!それじゃ合流も済んだ事だし、早速作戦会議と行こうか?」

「あァ、そうだなァ」

「だね」


 御織の言葉を聞いてすぐ、妃と紀章は個々の会話を終わらせ、4人での話し合いに切り替わった。


(対応が早い。やっぱり慣れてるな)


 即座に作戦会議に移行した姿に、黎翔は純粋に感心していた。が、すぐに自身の意識も会議に切り替える。


「今回の『ソルクティス』だけど……等級グレードは多分B中位だね」

「「っ!!」」


 御織のその言葉に、紀章と妃が一斉に驚いたような反応を示した。


「B……!?マジで!?」

「そんなに……!でも、さっき倒したのはC級下位くらいだったような……」

「それがちょっと面倒なことになっててね……強さ的には妃の感覚で合ってるけど、マナ濃度はBあるんだよね」

「てことはァ……数重視っていうかつゥーことかァ?」

「そうでもないんだよねぇ。言うなれば両立型って感じ」

「うーん……かなり厳しくなってきたね」

「んー、でも結構特殊なタイプだから、もしかしたら……」


 御織、紀章、妃の三人で、次々と会話を進めていく。話は難航しているようだが、比較的意思疎通はスムーズに取れていた。

 そして、その内容を全く理解していない人間が一人。


「……あの、すみません」

「「「ん???」」」


 黎翔が、気まずそうにゆっくりと手を挙げながら声を発した。それに反応して、三人の視線が黎翔に集中する。


 黎翔は、更に気まずそうに口を開いた。


「CとかDとかって、なんのことですかね?」

「「………え??」」


 黎翔の質問に対し、紀章と妃は驚いたような反応を示した。同時に、


「あっ」


 という御織の声も聞こえた。

 その表情は、「やらかした」と言わんばかりだった。急に視線が逸れて冷や汗をかき始めた。


「……御織ォ、おめェーまさかァ……」

等級グレードの説明すらしてないの……?」


 その御織の様子を見て全てを察した紀章と妃は、ジト目で御織を問い詰めた。


「い、いやぁ〜、忘れてた忘れてた。ホント、忘れてただけだから。めんどくさくてサボった訳じゃないから、ハハハ……」

「嘘だなァ」

「嘘だね」


 小声かつ早口で言い訳する御織の言葉に耳も貸さず、2人は即断で御織の言を嘘と判断した。強い負の信頼である。


「ったくよォ……等級くらい説明しとけよなァ。基礎中の基礎だろォ」

「だ、だって〜!大学入ったら多分森先せ……じゃない、森さんが教えると思ったんだもーん!アタシ、悪くないし!!」

「開き直ンなァ!」

「はぁ……御織は相変わらずだね」


 呆れ顔の2人に総ツッコミを入れられつつも、御織は強気な態度を貫いていた。


 微笑ましい(?)平和な時間が一瞬流れたが、すぐに妃が現実へと意識を戻した。


「さて、仕方ないから御織の代わりに私が等級グレードについて教えるよ」

「あぁ。ありがとな」


 まだ口喧嘩をしている御織と紀章をガン無視し、黎翔は妃の話に意識を向ける。


等級グレードっていうのは……一言で言うなら、『強さ』を客観的な基準に当てはめて考えた場合の、強さの指標の一つだよ」

「ふむ、大方予想通りだな」


 黎翔は少し安心しながら頷く。


 黎翔は、BやCといったアルファベットを聞いた時点で、それが何なのかある程度は予想出来ていた。


(この世界が、俺のいた世界と地続きの世界なら、あのアルファベットが示す意味は恐らく……『強さ』だろう)


 黎翔は、昔友人の家で見せてもらったゲームを思い出した。キャラクターの強さを示す指標に、S〜Fまでのアルファベットを用いていたことを。

 そこから予想したのだ。この時代においても、強さの指標としてアルファベットが使われていることを。


 そして……Sが強く、そこからアルファベットが下るごとに弱くなっていくこと。一番下がどこかは分からないが、どう考えてもBが弱い訳はないだろう、と。


「……なぁ、この『ソルクティス』はB級なのか?」

「恐らくね」

「B級は……どれくらい強いんだ?」


 恐る恐る、そう尋ねる。

 妃は、一度深呼吸をした。そして、ゆっくりと黎翔に伝えた。


「……私と紀章くんが2人がかりで、ギリギリD級上位を攻略出来た。あとは……分かるよね」

「………っ!!」


 一言一句聞き間違えることなく聞き取った黎翔は、一気に顔が青ざめた。


(この二人でD級……!?嘘だろ!?じゃあ、B級中位ってのは……どれだけの強さなんだ!?)


 現状かなり不味い状況だと理解し、酷く動揺する。誰が見ても分かるほど、顔を青ざめさせて。


(紀章と妃でD級上位分、俺の実力は不明だが大した戦力にはなれない。一応御織はいるが……一人でこの場の全員を守るのは流石に不可能なんじゃないか……!?)


 戦力の分析をすぐさま済ませ、ようやく他3人がさっきしていた作戦会議の内容まで理解した。

 そんな黎翔に対し、楽観的な言葉が投げかけられた。


「まーまー黎翔、そんな思いつめないでよ〜!気楽にいこ、気楽に」


 後ろから声と共に現れた御織は、いつも通りの笑顔だった。力が入って固まった黎翔の肩を揉みながら、分かりやすくふざけたようにそう言った。


「……御織、お前なぁ……」


 黎翔がそれを咎めようとする。が、


「ほらほら、眉間にシワが寄ってるよ〜?もっと力抜きなよ〜」


 御織は止まる気が無さそうだった。少しイラッとした黎翔だったが、


(コイツはヤバい状態でふざけるほどバカじゃない。何か作戦があるのかもしれない)


 と考え、少し冷静になった。そして、


「お前、なにか作戦があるのか?」


 素直に疑問をぶつけることにした。

 御織は、「へぇ」と少し驚いたような表情をしながら声を漏らした。そして、


「やるねぇ黎翔、その通りだよ!」


 ニカッと明るく笑った後、説明を始めた。


「実はこの『ソルクティス』、さっき言いかけたけどかなり特殊でね。量と質が両立してるタイプなんだ」

「量と質?なんのだ?」

「ボス以外のモンスター達の、だね」

「………?」


 説明を聞いてなおピンと来ない黎翔に対し、御織は更に続ける。


「『ソルクティス』って、結構色んな分類があるんだよね。形式スタイルだったり、SからFまでの等級だったり、大きさだったり。で、そうした分類のうちの一つが『モンスターの配置』なの」

「モンスターの配置……?」

「そ。一言で言えば『雑魚がめっちゃ多いか数が少ない代わりにめっちゃ強いか』って話」


 黎翔はそれを聞き、少しだけ悩んだ。その後、あることを思い出した。


(そういえば……星恋と一緒に『ソルクティス』に巻き込まれた時、御織が言ってた。『D.....いや、Cかも。割とデカいのが一匹だけだね、取り巻きはナシ。一番楽なヤツだ』って。つまり、あの時は『ボスしかいない代わりにボスが超絶強い』だったのか)


 あの時星恋が吹き飛ばした、巨大な『ボス』の姿を思い出し、ようやく理解した。


「つまりこの『ソルクティス』は、『雑魚もそこそこいるのに結構強い』タイプなのか?」


 思考を完結させ、御織に尋ねる。

 御織は、またも少し驚いたような表情を見せた。


「黎翔って結構考えるの早いよね」

「そうか?」

「自覚無いんだ……まぁそれは後回しとして。うん、その認識で合ってるよ」


 御織は笑顔で頷いた後、続ける。


「これ、実はかなりのレアケースでね。大体の『ソルクティス』はさっき言ったみたいに量か質のどっちかに偏らせるんだ。その方が対処困難に陥りやすいからね」

「でも、今回はそうじゃない……だから特殊なのか」


 ようやく御織の言いたいことを理解出来たため、黎翔は少しスッキリした。が、同時に新たな疑問が生まれる。


「それは分かったけど……だから何なんだ?特殊であってもキツいことに変わりは無いだろ?」


 今度は、御織の自信の出処が理解出来なかった。そのため、再びストレートに聞く。


「実はこの『ソルクティス』、信じらんないくらい規模がデカくてね。半径5kmくらいが全部包まれてるんだ」

「はぁ!?広すぎだろ!!」

「そう、広すぎなの。何がヤバいって、その広大な範囲内に満遍なくさっきの刃腕じんわんモンスターが発生してるんだ。更に、ソイツらは結構絶え間無く増えてるんだよね」

「ヤバいじゃねぇか………!!」


 街が壊滅しかけている事実をサラッと告げられ、黎翔は大きく焦る。


「これって、本来B中位程度のマナじゃ到底出来ないレベルなの。どう見ても量も質も力入れすぎてる。モンスター達の感じだけ見たら、A下位って言われても信じられるレベルのヤバさしてる訳」

「マジかよ……っ!!」


 B級ですら勝てるわけないのに、A級である可能性まで示唆された。そんな状態で、黎翔は平静を保っていられるはずがなかった。


 取り乱す黎翔に対し、御織はしれっと爆弾発言を落とした。


「ちなみに、湧いてきたモンスターたちは全部アタシが潰してるよ。今」

「は─────え、今???」

「うん。アタシの重力魔法は半径100kmまでなら届くからさ」

「は?????」


 あまりにもサラリと告げられたその事実は、本来ならば信用出来ないような、荒唐無稽な話だった。


(100km!?100kmって、俺の知ってるのと同じ!?広すぎだろ!!信じられる訳ない───って言いたいとこなんだけどな……)


 全力で疑いたい事実なのだが……それを言っているのが御織であったため、黎翔は信じざるを得なかった。なんせ───


 彼女は、世界最強なのだから。


「まぁ要は、湧いてくるモンスターの対処はアタシが全部出来るわけなの。量も質もB級にしてはかなり高いけど……なんせアタシは世界最強だからね!」

「御織……!!」


 自信満々の彼女の姿を見て、黎翔はようやく心から安堵した。勝利を確信した。

 が、そんな黎翔に対して、再び爆弾が投下される。


「あ、でも『ボス』倒すのは黎翔たちだよ?」

「あぁ、ん─────え、は???」


 その言葉を理解するのに少しだけ時間を要し、時間差で反応を示す。

 そのまさかの発言に驚いたのは、黎翔だけでは無い。


「達って、まさか俺らもかァ!?」

「もちろん」

「ちょ、どういうこと!?」


 傍で聞いていた紀章と御織も、一緒に驚いていた。


「実はアタシ、今万全の状態じゃなくてねぇ。一昨日色々あってボスを攻撃出来ないんだ」

「嘘だろォ!?」

「なんでそんな……!!」

「だから、『ボス』は3人に倒してもらう。大丈夫、3人なら出来るよ!」


 明るく笑いながら、御織はそう言った。だが、3人はそれを受け入れることが出来なかった。


「いやいやいや、無理に決まッてンだろォ!?」

「そうだろよ!B級中位のボスなんて勝てるわけ……!!」


 紀章と妃が御織に文句を言う。

 黎翔もそれに続こうとしたのだが……


「……いや、待てよ」


 そこで黎翔は、ある可能性に気づいた。


「妃、紀章。もしかしたらこの『ソルクティス』、本当に俺たちでも勝てるかもしれない」

「「はぁ???」」


 突然のその発言に、2人は声を揃えて驚いた。




──────────────────

蒼井黎翔 ID: 137438691328

Lv.21

POW:1757+50 DEX:1532 DEF:1168

INT:0 MP:0 RES:0  Total:4458

武器:猟刃……マナ属性 特殊効果なし

職業:狩猟者ハンター 階級:特異

スキル:『狩人の心得』パッシブ

『狩猟者の勘』アクティブ化 3000s

『野性』パッシブ

『獣殺一閃』発動可能


ステータス補正:物理特化

──────────────────

読んで頂きありがとうございました。よろしければ、いいね・ブックマーク・感想などよろしくお願いします。飛び跳ねて喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ