初対面 3
お久しぶりです。
無事にテストも終わったので、また更新を再開させていただきます!
これからもよろしくお願いします!!!
先ほど楓が軽く殺気を放ったことによってほとんどの冒険者が何事だと現在進行形で楓たちのことを見ているが、楓たちは全く気にすることなくギルド長の元へと向かっている。
「優しいんだな」
その途中に、例の冒険者たちが見えなくなったところでルシフェルがボソッとそう呟いた。
「そうか? 今味方の戦力を削ぐのもバカらしいし、そこまで労力のいることじゃないからあれが正解だと思うんだけどな。あの様子なら必ず返しにくるだろうし」
「それにしてもポンと渡していい額ではないだろうに……」
ルシフェルもアルに同調するように頷いている。
まぁ、実際に3億円をポンと渡せるものなど余程稼げている冒険者か大貴族しかいないだろう。楓は前者なのだが、すでに手持ちだけでそこら辺の国の国家予算なんて歯牙にもかけないくらいの額となっている。
他にも楓はお金を生成することも可能なのでそもそもそこまでお金を必要としていなかった。
お金があったところで冒険者が一番費用がかかってしまう武器やポーション、武器の修繕などは全て楓がクラン全員分のを定期的に直したりポーションでも最上級のものを配っているのでお金も全く減っていかないのだ。
「そんなことより、流石に周囲が鬱陶しいな」
「まぁ、あんな殺気を周囲に撒き散らしちゃったら普通の人たちは驚くよ。まぁ、あのおかげで魔物も逃げていったみたいだからいいんじゃない?」
「さっさと本部に着きたいな。結構前線に構えているようだけど……」
基本的に各ギルドの本部は一番安全な後ろの方に構えているところが多いのだが、なぜか冒険者ギルドだけ前線の方に本部を構えていた。
その心意気は楓もかっこいいなと思うが、なかなか理解はできない。
本部といえばそのギルドの全てをまとめているところで本部がなくなれば当然そのギルドに所属しているものたちは戦場で右往左往してしまうことになる。
しかも、ただでさえ冒険者ギルドは他のギルドに比べて気性の荒いものが多いので本部は必須である。もし戦争の初めに真っ先に冒険者ギルドの本部が崩壊したら楓が力を抑えている状況ではほぼ勝ちはないと言えるだろう。
ただでさえ今回の戦いはかなりの不利を背負って戦わないといけない王国軍にとって、冒険者たちの力は絶対に必要なのである。
「お、見えたな」
「それにしても、本部自体は結構質素な感じなんだね。他の本部はもう少し箔をつけるために豪華な感じだったけど」
「必要最低限のものだけで他は食費とかに回してるんだろ? 辺な意地を張っている他のギルドよりかは好感が持てるな」
冒険者区域に入ってから約30分。
道中で時間を食ってしまったことは事実だがそれにしてもやはり遠かった。
本部に近づくにつれて冒険者の質も心なしか上がっている気がしたが、楓たちは気にすることなく冒険者ギルドの本部の中へと入っていった。
一応本部だけは木造で簡単な建物にしてあるためそこそこの大きさの建物だったが、それでも王都のギルドの方が断然大きくて豪華な造りになっている。
「あの、ギルド長はいますか?」
「か、カエデ様ですか⁉︎ は、はい。ギルド長は現在奥の部屋にいますが……」
楓たちは中に入ると受付嬢がいるところまで向かい、受付嬢に声をかけたのだが受付嬢は急に楓の姿を見てかなり興奮した様子で楓たち三人のことを見ていた。
こんな戦場にまで受付嬢が来るのかと楓は関心というか素直に肝が据わってるなと思っていたのだが、どうやらそんなこともなく普通にここが戦場になるなど感じさせないトーンで楓たちの来訪を喜んでいた。
「挨拶をしに来たのですが、今ギルド長は大丈夫ですかね?」
「か、確認してまいります! しばらくお待ちください!」
受付嬢はそういうとすぐに奥の方へと向かいギルド長がいるであろう部屋まで向かっていった。
そんな楓と受付嬢のやり取りを面白くないと感じた複数の冒険者たちから舌打ちやら野次やらが飛ばされてくるのだが、楓たちは全て無視をして受付嬢が帰ってくるのを静かに待っていた。
彼らにとってここはホームグラウンドのようなものなので必然的に態度がでかくなるものだが、それでも一流の冒険者らしき人物たちは楓たちに野次や舌打ちなどの不快感を与えることなくジッと楓たちの様子を観察していた。
そして、楓たちが全く動じていない様子を見て面白そうに笑みを浮かべているものがほとんどだった。
「確認したところギルド長もカエデ様たちとお話がしたいとのことですので奥の部屋へとご案内させていただきます。それと……握手をしていただいても構いませんか?」
「ありがとうございます。はい。喜んで」
「カエデは生粋の女たらしみたいだね」
「後でヒナタ達に報告だな」
「やめてください。僕の息子が死にます」
楓はイケメンスマイルを顔に貼り付けて受付嬢の手を握り数度上下してしっかりと握手を交わす。
その後、サインが欲しいとのことだったので楓は日本風のサイン色紙をストレージの中から取り出し目の前で楓一人だけのサインが書いてあるやつと三人のサインが書いてある色紙の2枚を受付嬢へと渡して奥のギルド長がいるであろう部屋まで向かうのであった。
最後に後ろの方で不穏なことを言い出す二人にしっかりと釘を打つことも忘れない楓なのであった。




