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初めてのクエスト 1

風邪が治りません。

今日は気合で書けましたが明日は厳しいかも知れないです。

もしかしたら明日投稿をお休みさせて頂くかもしれないですがご了承ください。


『マスター…』


あれは俺、悪くないだろう。仕掛けてきた向こうが悪い。


『ですがそれまでのあの不気味な笑顔はなんですか。気持ち悪い…』


気持ち悪い言うな。出来るだけ穏便に済むように頑張って我慢してたら好き勝手言ってきやがって…


本当にあれが勇者の末裔なのか?


『一応初代勇者の血が混じっている事は事実です』


楓はルミナの家で盛大にやらかして現在冒険者ギルドに向かっている最中なのだがさっき迄の鬱憤をナビちゃんに愚痴って晴らしている最中である。


楓が最後、アスタルト家に宣戦布告した事によってこれからは積極的に絡まれる事が多いだろう。


それを考えただけでも楓は三度程ため息をつきたい気分になった。


楓もアスタルト家についてはルミナと国王であるバルバトスからしか聞いていなかった為もしかしてと穏便に行く可能性を信じていたが初っ端から執事に毒付きナイフで攻撃を仕掛けられその後もバロンの部屋に行く迄で結構な数の攻撃を仕掛けられその可能性がゼロに近い事を悟った。


その後はさっきのを見ての通り最後には殺しにかかってくる始末だ。


「はぁ、さっさと冒険者ギルドに行って日向達と合流しよう」


本来なら1日丸々かかると思って別行動をとる様にしたが意外と早く終わってしまったので日向達と合流出来る様に冒険者ギルドに向かう。


ナビちゃんが言うには現在ルミナの冒険者登録中の様だ。


マップスキルやその他色々使えば相手の位置迄分かる様だ。


犯罪に使えそうだが楓は決して悪用しないと心に誓う。ストーカーでもした日には日向達にボコボコにされるのが目に見えている。


『まぁ、マスターならわざわざ犯罪に手を染めなくても大抵の事は出来ますからね』


この世界の常識がまだイマイチよく分からないので気を付けるのに越した事はないが、非人道的な事は避けていこう。


「着いたってなんか中が騒がしいな」


楓はそんな事を考えながら冒険者ギルドに着くと中がやけに騒がしい事に気付く。


「おい、お嬢ちゃん達。クエストで稼ぐよりも俺達の相手をした方が稼げると思うけどなぁ」


「お断りよ。それに私達、結婚してるもの」


「いいじゃねえか、バレなきゃ犯罪じゃないんだよ。そっちの男は違うんだろ?なぁ、お前も一緒にどうだ?」


「僕は止めておくよ」


中に入ってみると日向達が数人の冒険者からナンパされていた。


アルが後ろにいたが日向達の旦那じゃないと分かると仲間に引き込む様に誘っていた。


まぁ、苦笑いしながら断っていたが…あいつ俺にもう気付いているな。


心なしか笑っているのでこの冒険者の末路を想像しているのだろう。


「じゃあバレたから犯罪だな」


と、いう事でアルの期待に答える様に楓は日向達と冒険者の間に入っていく。


「あ?誰だテメェ」


「こいつらの結婚相手だ。人の妻に手を出してるんじゃねえよ」


「はっ、こんな美人を三人も囲っているからどこの貴族かと思いきやぁただのガキかよ。失せな、明日には返してやる」


冒険者は相手が16、7の子供だと知ると余裕を見せてくる。


「楓くん、手加減だよ」


「旦那様、気を付けて下さいね」


「いいじゃない。カエデ任せたわよ」


後ろからは楓の嫁陣が口々に楓に言ってくる。日向とミルは相手の事を心配していたがルミナは鬱憤がたまっていたのか少し怒った表情をして楓にやれと言ってくる。


「おい、痛い目を見る前に尻尾巻いて逃げた方が身の為だぞ?」


目の前の冒険者は煽るように楓にそう言ってくる。


冒険者ギルドに来ると高確率で誰かに絡まれるから面倒だと楓は愚痴りながら目の前の冒険者に近づいていく。


「ん?どうした、びびったk…」


毎度のごとく最後まで言わせないで楓は冒険者の腹に一発優しくパンチを入れる。


と、言っても格闘スキル云々も∞の楓のパンチだ。


いくら手を抜いたと言っても骨折は避けられる筈がな

い。


いや、楓がもっと気を付ければ骨折もしないで何とか気絶程度で済むだろうが今回は特に何も考えず相手の腹に向かって拳をぶつける。


『マスターやり過ぎです』


ナビちゃんの言う通り今の楓の一撃で相手は思いっきり外に向かって飛んで行った。


飛んで行った先が扉だったからそのまま何も壊さずに外へ飛んでくれたもののそこが壁とかだったら確実にぶち破って外に吹っ飛ぶ威力だった。


そして、一瞬で場が凍った。


「楓くん?やり過ぎだよ…」


「悪りぃ…ちょっと手加減をミスった」


日向が呆れた様子で楓に注意をして外の冒険者に向かって回復魔法をかけに行った。


未だに楓のクランメンバー以外まともに動く事が出来ず、ギルドの受付嬢でさえ固まっていた。


「あ、あははーお騒がせしちゃってすいません」


楓は空気を一転しようと笑って誤魔化すが他の冒険者達の戸惑いは消えない。


見えなかったのだ。楓が相手の冒険者に攻撃する瞬間が。


特に近接職業の冒険者達は自分でも出来ない体捌きや威力を出した楓に警戒の色を濃く醸し出している。


今、ここにいる冒険者に楓達をカモと考える奴は一人もいない。


日向の回復魔法を見た魔術師達もかなり驚いていた事から他の三人も相応の力を持っている事が分かるのだろう。


この時、楓達に幸運の要素があるとすればミルの事を誰も知らなかった事だろう。


名前は知っているものの、この中に直接ミルを見た事のある冒険者がいなかったのでそこまでミルは騒ぎに巻き込まれる事はなかった。


「治ったよー」


「サンキュー、人相手にはもっと手を抜かないとダメだな…」


「まぁ、喧嘩を売ってきたあの人達が悪いんですけどね。旦那様に喧嘩を売るなんて命知らずもいたものです」


「そうそう、それよりもさっさとクエスト受けてしまいましょ」


ルミナはそう言って他の四人をクエストボードまで引っ張っていく。


「ん?ルミナ、その冒険者カード」


「これでしょ、なんかいきなりBランクになってた。まぁ、カエデ達と一緒だからいいかなーって思ってそのまま受け取ったわ」


楓達は学院での仕事を完遂した為Bランクに上がるのに問題はないのだがルミナ迄いきなりBランクだったのが不思議でルミナに聞いたが本人もよく分からないらしい。


「多分、お父様が原因ですよ。ルミナさんを含めて私達を底辺ランクで遊ばせておくにはもったいないとでも考えているのでしょう。クランランクもDランクになっていましたし間違い無いと思います」


ミルが言うにはバルバトスが一枚噛んでいるらしい。


まぁ、こちらとしても問題ないのでありがたく受け取っておく。


「さて、何がいいかな…っとこれなんてどうだ?」


「いいねぇ、僕は賛成だよ」


「私もいいよ」


「旦那様に任せます」


「私もカエデに任せるわ」


反対意見が出なかった為、楓はAランク対象のクエストを受けて冒険者ギルドを出て行く。


ちなみに、楓達が出て行く迄他の冒険者達は下手な動きが出来なかったので、楓達が出て行った瞬間、他の冒険者達は大きなため息を同時に吐いたのであった。

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