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ブサイク得点王だった俺、最強スペックでサッカー人生やり直し〜今度こそ美女も世界一もすべてを奪い取る〜  作者: クズ吉(くずよし)
プロローグ

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第38話 あんなに一緒だったのに

 「大雅君久しぶり〜!大きくなったね!」


 「お久しぶりです」


 「前見た時は僕と同じくらいだと思ったのに、いつの間にか抜かされてるな。はっはっは」


 「・・・・・」


 紗那の両親が朗らかに笑って俺に挨拶をする。一方で紗那は一言も話さない。


 「紗那のお父さんもお久しぶりです。えーとすいませんあまり時間もないので…写真どうします?」


 「あーごめんね。家族3人のが一枚と母さんと紗那1人ずつツーショットでお願いできるかな」


 たくさん写真を撮ってきて分かったが、お父さん方はあまり俺とのツーショットを欲しがらない。


 たまに熱烈な名古屋アハトファンもいて欲しがる人もいるけど、家族写真で自分が写っていれば満足する人がほとんどだ。


 「じゃあ4人の時は先生お願いします。後は紗那のお父さんご自身で」


 「分かりました。じゃあまず4人の写真撮りましょう。お父さんカメラお貸しいただけますか?」


 紗那のお父さんが先生にカメラの使い方を教えて、まずは4人で写真を撮る。


 パシャッ


 続けて紗那のお母さんとツーショット。


 パシャッ


 そして紗那とのツーショット。渋々と紗那が俺の横にやってくる。


 ここだ!


 俺は小声で紗那に話しかける。


 「紗那、今日15時に公園に来てくれない?」


 「15時?」


 「うん、時間空いてる?」


 「空いてるけど…」


 紗那は明確な返事をくれない。


 俺は焦る気持ちを抑えてさらに言葉を紡ぐ。


 「紗那ともう一回話したい。俺は紗那に来て欲しい。待ってるからね」


 「紗那ー!大雅君!撮るぞー!」


 「はーい」


 パシャッ


 結局返事をもらえず紗那とご両親は写真を撮り終えて去っていった。


 来てくれるといいんだが…



 ・・・・・



 トンットンットンッ


 俺は今自宅近所の公園でリフティングしながら紗那を待っている。


 腕時計を見るとそろそろ約束の15時だ。


 トンットンットンッ


 紗那が来たようだ。それでも俺はリフティングを続ける。


 紗那が俺から1m位離れた位置に来た。ここで俺は紗那にパスを出す。


 ポンッ…


 コロコロ…


 ピタッ…


 紗那は靴裏でボールを止める。


 「・・・・・」


 「・・・・・」


 何から話せばいいのだろう。考えていたはずなのに言葉に詰まる。それでも…


 「紗那、来てくれてありがとう」


 「私もう話しかけないでって言ったよね」


 「ごめん。でもどうしても紗那と話したくて」


 「・・・・・」


 トンッ…


 コロコロ…


 紗那は無言でボールをこちらに蹴る。


 「紗那のこと大切に思ってるって言ったのは嘘じゃないんだ」


 「でも私の事裏切ったよね」


 「・・・うん。裏切った。望結と茉那の事も好きになっちゃったんだ」


 「もういいよ、大雅がそういう人なんだってことは十分分かったから」


 紗那はそう言って俺に背を向ける。


 「紗那!」


 「はぁ…なーに?どうせ大して話す事考えてきてなかったんでしょ。…大雅は本当に馬鹿」


 「えっと…それはそう」


 「あのね、私の夢はさ昔から大雅のお嫁さんになりたかったんだ…でもそれが叶わない事を知って本当に悲しかった」


 紗那があの時内緒にした夢…


 紗那は俺と結婚したかったんだな。


 「本当にごめん紗那、何もかも紗那の気持ちに気づいてあげられなかった」


 「だからもういいんだって。終わったことだから。じゃあ本当にこれでもう終わり。あ、茉那と会っちゃだめだよ?」


 「もしよかったら…4月くらいに紗那の家のポストに名古屋アハトの試合のチケット4人分入れとくから見に来て欲しい」


 「あの約束…覚えてたんだね。んー遠くから見る分にはいいか。分かった。茉那が見に行くかは知らないけど」


 紗那はそう言って皮肉げに笑う。


 そういえば俺が名古屋アハトのトップチームに上がったら、スタジアムに紗那を一番に誘う約束をしたな。


 やばい先に望結を誘ってしまったぞ。


 でも紗那の顔を見て、彼女の気持ちはもう俺には向いてないことが馬鹿な俺にも痛いくらいに分かった。


 あの約束のことも、誓いあったあの時とは違う気持ちで紗那は捉えているみたいだ。

 

 そんな彼女に最後に何か伝えられないだろうか。


 「紗那大好きだ」


 口から出たのはそんな単純な言葉。


 「私も大雅のこと大好きだったよ」


 本当にこれで終わりなのか…


 「・・・じゃあ」


 「じゃあね」


 紗那は今度こそ俺に背を向けて歩きだした。


 あんなに一緒だった大切な幼馴染が遠ざかっていく。


 俺はその姿に寂しさを感じて彼女を抱きしめたくなったが、もうそれが出来ない事に一人涙を流した。

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