今はアリスのお迎えだ
私達を乗せた馬車は何事もなく夕方にアンセルフィディアに着き私は馬車から降りてホッと一息つく。
「それじゃあな」
デットさんがそう言って他の探索者達と歩いて行った。
そっれを見送った後に腕の中で大人しくしている子犬を地面に降ろす。
「君大人しくなったね?」
私がそう声を掛けると子犬が尻尾を振りながら見上げてくる。
「・・・・可愛いんだけど」
クリクリの目で見上げて来る顔がとても可愛い!!って言うかかなり懐かれてるみたいだ!!
「私と一緒に暮らしてくれるかな?」
そう口にすると『ガウ!!』と吠えたので私の言葉を理解してるのかもしれない。
「ん?」
あれ?今この子『ガウ!』って吠えた?あれ?犬って『ワン!』って吠えるんじゃなかった?あれ?私の気のせい?・・・あ!”今はそれよりもアリスのお迎えだ!!急がねば!!
「ついて来てくれる?あ!歩いている人達に威嚇とかしちゃ駄目だよ?」
「ガウ!!」
・・・やっぱり私の言葉が分かってるぽいよね?ってかやっぱり『ガウ!』って吠えてるよ!!今の犬は『ガウ!』って吠えるのかな?まあその事は後で!今はアリスのお迎えだ!!
「こんにちわー!」
私は子犬を引き連れアリスが通っている道場に着き勝手知ったると門をくぐり道場の入口から中に声を掛けると一人の20代のローザさんと同じ金髪碧眼の男性が出て来て私をを見て微笑む。
「いらっしゃいエミリア君、アリスは今日も頑張っていたよ」
この人はローザさんのお兄さんでカシムさんでアリスの指導をしてくれている人だ。
「アリスは頑張り屋さんだからね、アリスはもう帰れる?」
そう声を掛けるとカシムさんが微笑む。
「少し待っててくれるかな?今汗を流しに行ってるから」
「わかったよ、此処で待たせてもらう」
カシムさんにそう答え足元でお座りしている子犬を抱き上げて撫でる。
「その子犬は?」
カシムさんが目を細めてそう聞いて来たので私は子犬を撫でながらカシムさんに視線を向ける。
「【大いなる大地】から戻って来るときに怪我しているのを見て治療してあげたんだよ、そのまま放置は出来ないから連れてきたら懐かれた」
そう言うとカシムさんが感心したような顔になりそれから微笑む。
「エミリア君らしいな、飼うのか?」
私はその言葉に首を左右に振る。
「飼うんじゃなくて一緒に暮らすんだよ、それにこの子が居てくれたらアリスも寂しい思いをする事も減ると思うんだ」
私達の仕事の都合上アリスが1人で過ごす時間が出て来るからこの子がアリスといてくれれば寂しい思いをする事が減ると思う・・・これがこの子を見た時に思いついた『いい事』だ!!と思い出していると私の話を聞いたカシムさんが微笑む。
「それはいい考えだね、アリスも家族が増えると喜ぶだろうね」
「だといいな・・あの子が犬嫌いじゃなきゃいいな」
・・・・・・・アリスが『犬は苦手』とか言って来たらどうしよう?そこまで考えてなかったんだけど!!と予想外の事を思い付き冷や汗を流していると『たたたた!』というい足音が聞こえ同情の奥からアリスが走ってくるのが見えた。
「エミリアお姉ちゃん!・・・あれ?その子は?」
私の元まで走って来て私の腕の中で大人しく撫でられている子犬に視線を向けながらそう聞いて来た。
「この子も今日から一緒に暮らすんだけど・・・・」
『もしかして犬は嫌い?』と最後まで言い切る前にアリスが目を輝かせて子犬を覗き込む。
「本当に?うわぁぁぁぁぁぁぁ・・・可愛い!!私の新しいお友達だね!!私はアリスって言うの!!よろしくね!えっと・・・・エミリアお姉ちゃん、この子の名前は何て言うの?」
『犬は嫌い』と言われなくて良かったとホッと一息ついてから私は微笑む。
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