ウルザさんが凄いんだ
「ふう・・・・・・」
両手を血に染めた女性が深い溜息と共にそう口にするのを見て私は使っていない布を女性に差し出し微笑む。
「お疲れ様でした」
「・・・ありがとう」
私が差し出した布を受け取り手を拭きながら微笑む。
「貴女のサポートはとてもやりやすかったわ、もしかして医者なの??」
私はその言葉に首を左右に振り・・それから苦笑する。
「医学の知識と薬学の知識は必要だと思ったから学んだけど・・医者になろうなんて考えてなかった・・んだけどね」
私がそう言うと女性が苦笑する。
「何それ?医学と薬学の両方の知識なんて膨大でしょうに医者になることは考えてなかったの?面白い子ね」
家出をした時に役に立ちそうだし家に連れ戻された時の保険として学び始めたんだよね。
「でもいい物を見せてもらったよ」
私がそう言うと女性が不思議そうな顔になったので私はそれを見て話を続ける。
「私は知識はあっても経験は無いから『医療の現場』を見れたのは貴重な経験だよ」
ガドで【腐毒摂取症】の対応はしたけどあれは偶々知ってる症状だったからできた事で私には経験がない。
でも今日様々な経験をしている医者が目の前でその技術を使って人を救ったのを見た。
「不謹慎かもしれないけど私にとってはいい経験になった」
私は資格なんかなくてもいと思っていたけどもしかして【自由の翼】のメンバーがさっきの重傷者みたいになった時に何も出来ずに死んでしまう・・・・何て事にはなって欲しくない・・・そう考えるようになった。
まだどういう風に動くかは決めてないけど今回の事で考えが少し変わったってのは断言できる。
そんな事を考えていたら女性が私を見て微笑む。
「そう言えばまだ自己紹介をしてなかったわね、私はウルザ・・ウルザ・バキーンソン、アンセルフィディアで医者をやってるわ」
「私はエミリアです、探索者でDランカーです」
お互いに自己紹介をしてホット一息ついた時に男性ギルド員が私達の所・・・正確にはウルザさんの前まで来て口を開いた。
「ウルザ先生重傷者は2人来ます!お願いします!!!!」
男性ギルド員の言葉にウルザさんは真剣な顔に戻りその後に私に視線を向ける。
「エミリア・・・手伝ってくれるかしら?」
その言葉に頷くとウルザさんは目の前にいる男性ギルド員に視線を戻す。
「綺麗な布を20枚と熱湯のよういをして、それとスリーサス草とムレッサ層の乾物もね?エミリアはこの人が用意してくれえた物を一緒に持って来て、私はそれまで患者を見ながら準備をするわ」
「わかりました」
私達は再び重傷者を救うべく手術という戦場へと身を投じた。
「大丈夫かお嬢?」
あれから更に3人の重傷者がはこばれてきて全員をウルザさんと私で対応して疲れて休んでいる所にライオ達が戻って来て休んでいる私を見て驚いてそう声を掛けて来たのだ。
「うん大丈夫・・・体力はある方だと思ってたけどまだまだ未熟だった」
私がそう言ったののは理由がある・・・それは全ての重傷者達の手術をしたウルザさんはまだピンピンして治療を続けているのに私はもう虫の息だ・・・・本当に医者って凄いね!
「あ」
医者が凄いんじゃなくてウルザさんが凄いんだ!!
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