閑話 もう一つの終焉の始まり2
「何?お茶会には参加するなだと?」
アレックス様のお言葉をフトマル様にお伝えしたらフトマル様が思いっきり顔をしかめる。
「はい。旦那様がフトマル様のお相手をお探しになりますので屋敷にて寛がれるようにとの事です」
私の言葉を聞きフトマル様は少し考えて頷く。
「わかった・・・用事はそれだけか?」
「はい」
「ならもう出ていけ俺は忙しい」
その言葉に私はフトマル様の部屋を出た。
「チッ!」
オリアンが出て行った後に俺は舌打ちし少し考えて思いついた考えに自然と口が歪みニヤリとする。
「黙って行けばいいのだ・・・俺は自分の妻を自分で決める」
貴族の子供達が集まるお茶会ならば俺の妻になるにふさわしい女は必ずいる!だったら行かない手は無いのだ!!
「そうと決まれば準備をせねば」
俺は一週間に行われるお茶会の為に様々な準備をする事にした。
「・・・・・・何だと?」
執務室で書類仕事をしているとオリアンが珍しく慌てて部屋に入って来て信じられないような事を口にして来たので俺はそう口にしてしまった。
「本日行われたお茶会でフトマル様がハルナー伯爵家のご令嬢であるライナ様に『俺の嫁になれ』と迫り断られて激高し暴力を振るわれました」
・・・・どうやら聞き違いではないようだ。
「確か行かないようにと言っていたはずだが?」
深い溜息を溜息をつきながらそう言うとオリアンの困ったように頷き話を続ける。
「黙って行ったようです・・・それでハルナー伯爵家より・・・これが」
机の上にそっと置かれたのは一通の手紙・・・しかもハルナー伯爵家の家紋が付いている正式な便せんだ。
俺はそれを手にとり手紙を取り出して目を通し・・・そして深い溜息をつく。
「今からハルナー家に行く、それフトマルは廃嫡しロードル家から取り上げた地方にある館に送り監視をけて生活させろ」
『廃嫡』の言葉にオリアンが驚いた顔をしたが一礼し『馬車の用意をさせます』と言って出て行った。
「はぁ・・・・やはり親としては失格なのだろうな」
家を守る為とは言え子供を突き放す・・・これを親失格と言わずに何というのだろう。
「私は地獄行だな」
私の呟きは誰に聞かれる事も無く部屋の中で掻き消える。
「ふざけるな!!何で俺が家を追い出されなければいけないのだ!!悪いのは俺のいう事を聞かなかったあの女だ!!」
馬車に詰め込まれる最中おれは離れた場所で見ているオリアンに向かいそう叫ぶがオリアンは何も言わずに俺を見ている。
「向こうでは監視は付きますが普通に暮らす事は出来ます・・・ですが贅沢は出来ないとお考え下さい」
「な?俺は伯爵家の息子だぞ?」
「廃嫡されましたのでそれは通じません、本来なら働かなければ生活は出来ないのですが旦那様の最後の慈悲で生活費は与えられます」
「なん・・・だと?」
廃嫡?俺が?
「嘘だ!!俺が廃嫡なんてありえない!!父上と話をさせろ!!」
その言葉にオリアンが深い溜息をつく。
「今旦那様は屋敷にはおられません、貴方がしでかした事を謝罪する為にハルナー伯爵家へと向かわれました。貴方が暴力を振るったお方は第4王子の婚約者です、つまり貴方は王家を敵に回したのです」
オリアンの言葉に俺は叫ぶのをやめ呆然と立ち尽くし、それを見た御者が俺を馬車へと押し込んだ。
「待て!!俺とこのジジイだけなのか?護衛はどうした?」
馬車に押し込まれながらそう叫ぶとオリアンが深い溜息をついた。
「貴方はもう廃嫡されて貴族では無いので護衛など必要ないでしょう」
その言葉に抵抗する力も抜け俺は馬車に押し込まれ・・・そして俺を乗せた馬車は走り出した。
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