閑話 ある貴族の終焉
「くそっ!!まだ見つからんのか!!」
執務室で手元にあったカップを壁に投げつけ少しでもイラつきを抑えようとしたが効果は無くイライラした気持ちが逆に湧き上がってくる。
それから暫くは執務室で作業をして部下達からルーファ探索のの知らせを待っているとノック音がした後に執事長であるマヌッケが真っ青な顔で入って来た。
「旦那様・・・・お客様がいらっしゃいました」
誰だこの忙しい時に!!
「この忙し時に誰だ!追い返せ!!」
俺のその言葉にマヌッケが顔を真っ青にしたまま首を左右に振る。
「お客様は・・・・ルシーラ家のオリアン殿なのです」
「なっ!」
まさかの来客に俺も驚き固まる。
「まさか・・・・・バレたのか?」
すぐに立ち直りマヌッケにそう聞くと真っ青な顔のまま首を左右に振る。
「わかりません・・・ですが会わないという選択肢は取れないかと・・」
確かにその通りだ・・・・此処で会わないという選択をするともし何も知らなかった場合に何かあったのかと思わせる事になる。
「・・・・会うしかないか・・・応接室に通せ、身なりを整えたらすぐに行く」
「はい」
俺は急いで身なりを整え応接室へと向かいドアをけて部屋へと入る。
「お待たせしたオリアン殿、して?何かありましたかな?」
オリアンの正面に座りながらそう声を掛けるとオリアンが真剣な顔で口を開く。
「今日は我が主の名代として参りました」
「名代・・・ですか?一体何が?」
名代とは穏やかじゃないぞ?もしかしてルーファが居ないことがバレたか?と内心冷や汗を流しているとオリアンが話を続ける。
「ルシーラ家はルーファ嬢が行方不明になっている事を掴んでおります、ですのでフトマル様との婚姻は難しいという結論を出しましたので今までのロードル家へ支援としてお渡ししていたお金・・・全額の返還を求めます」
「な!!」
やはり気が付かれてた!!しかも全額返金?
「待ってくれ!・・いや待ってください!!全額返金なんて無理だ!!」
全額返金なんてしたら破産してしまう!!そう思いながらオリアンにそう言うとオリアンが真剣な顔のままま話を続ける。
「失礼とは思いましたがロードル家の事を調べさせて頂きました、結果・・・貴方が運営している商会、隠し財産、別荘、そしてこの館・・・全てルシーラ家が差押させていただきます。それでも足りない金額は今後月々徴収させてもらう事になりますのでよろしくお願いします」
「・・・・・・・・・な・・・・・に」
俺が手塩をかけて大きくした商会や全ての財産・・そして家まで差し押さえられる?
「待ってくれ!!!それでは俺達が暮らしていけないではないか!!」
立ち上がりながらそう叫ぶように言うとオリアンが表情を変えずに話を続ける。
「それに関してルシーラ家は関係ありません。ですが逃げようとは思わい事です、ルシーラ家の力は貴方もご存知でしょう?」
その言葉に力が抜けてソファーに座りこむ。
「では伝える事は伝えましたのでこれで失礼します、この館から1週間以内にでて行ってください・・・あ!勿論家具とかはそのまま置いて行ってください、売却して返金の足しにしますので」
そう言い終わってでて行くオリアンを俺は何を言う気力も無く見送った。
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