気に入られるような事はしてないんだけどな
「これが護衛料だ」
ラッセルさんがそう言ってテーブルの上に少し大きめの袋を置きそう言って来たので私はそれを受け取り後ろで立っているライオにその袋を渡す。
「中身は確認しないのか?」
その様子を見ていたラッセルさんが真剣な顔でそう聞いて来たので私は肩を竦める。
「【ロウ商会】を信じるよ」
【ロウ商会】の信条が『恩は返す』らしいので私達が損するような事は絶対にしないだろうし、元々私達の目的はアンセルフィディアに行く事だった、そんな時にブレイクさん達と知り合って一緒に行った方が安全性が上がるって事もあって一緒に行動したんだ。
だから護衛料はおこづかいみたいな物なんだよね!だから別にいくら貰おうと気にならないんだ。
そういう意味を込めて『【ロウ商会】を信じるよ』と言ったら何故かラッセルさんがニコニコ顔になった。
「それで?お嬢ちゃん達はこれからどうするんだ?」
ニコニコ顔でそう聞いて来たので少し考えたからライオに視線を向ける。
「今日はこのまま宿探しにする?それともギルドに顔を出す?」
ライオは真剣な顔で少し考えてから口を開く。
「宿探しを優先すべきかと、アリスも疲れているでしょうし」
私の隣に座っているアリスを見てそう言って来たので私は頷きラッセルさんに視線を戻す。
「今日は宿を探して宿でゆっくりするよ、んで明日は1日使ってアンセルフィディアを見て回るつもり」
此処で暫く暮らすつもりだから何処に何があるかを知っておかないといけないからね。
「ふむ・・・・・」
私の言葉を聞きラッセルさんが少し考えてからブレイクさんに視線を向ける。
「ブレイク、この嬢ちゃん達を【ルーナリア】へ連れて行ってくれ」
「わかりました、では皆様をご案内します」
は?いきなり何をいっいてるの?ってか私達を何処に連れて行くって?と驚いているとラッセルさんが二ヤリとする。
「俺の知り合いが宿をやっててな、そこに泊まればいい。それとお前さん達が乗って来た馬車はあの場所に止めたままでいいぞ?場所代はタダにしておいてやる」
「へ?馬車を預かってくれるって事?」
「そう言ってる、馬の世話もしておいてやるから安心しろ」
「流石にそこまでやってもらうんだったらお金を払うよ」
「いらんよ俺がしたいからするんだ、野暮な事は言うな」
・・・そこまで言われたら何も言えなくなるじゃん、ならお言葉に甘えようかな?
「それじゃあお願いします」
頭を下げながらそう言うとラッセルさんが腕を組みニヤリとして頷く。
「おう!ぞれじゃあブレイクについて行ってくれ、またな嬢ちゃん」
「うん、またね」
私達はラッセルさんに見送られて店を出た。
「どうやら会長はエミリアさんの事を気に入ったようですね」
店を出てアリスと手を繋ぎ暫く黙って歩いていたら前を歩いているブレイクさんが振り返りながらそう言って来たので私は首を傾げる。
「へ?そうなの?」
「ええ、あの方があそこまで嬉しそうに話す姿を見るのは久しぶりですよ」
目を細めながらそう言って来るブレイクさん見てもう一度首を傾げる。
「私気に入られるような事はしてないんだけどな?」
・・・ん?何でブレイクさんだけじゃなくてライオとルナも呆れてるの?
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