この髪は今日の為に伸ばしていたのよ
馬車を降りて伸びをするとルーナとライオが馬車の後に歩いて行き何かをしているので私も2人の所に行くと後ろに積んでいる荷物から何かを選んで出している所だった。
「お嬢は座って待っててください、俺とルーナでやりますから」
その言葉に頷き座りながらボケーっと2人を見ているとライオは小さな樽と深いお皿を持ち休んでいる馬の元へ、ルーナは折り畳みのテーブルを組み立ててその上にコップを置きそこに水を注いで私を見る。
「お嬢様・・・どうぞ」
私はコップを受け取りのどを潤しホッと一息ついた。
「さてお嬢、これからの事を話そう」
馬に水を上げた後にこっちにやってきたライオがそう言って来たので頷く。
「まずは出発の時に言ったようにホースガラに行くわ」
その言葉に2人は真剣な顔で頷きそれを見て私は話を続ける。
「そしてホースガラのギルドで探索者の登録手続きをするわ」
私が15歳まで家出を我慢してきた理由はいくつかあるけどこの探索者登録もそのうちの一つだ。
探索者とは魔物を狩ったりダンジョンと呼ばれる不思議な場所を探索しそこで見つかる資源や宝を持ち帰ったり護衛なんかもする者達の事でそんな人達を管理するのがギルドなのだ。
しかも登録するのは成人になってから・・・つまり15歳からしか登録が出来ないのだ。
私が探索者として登録する目的はそのギルドカードにある。
ギルドは世界各国にありギルドがその身分を保証する・・・という事でそのギルドカードを持っていれば国境も問題なく通れるのだ。
「ホースガラで旅の準備をして目指すはレイオット国方面の国境ね」
レイオット国はダンジョンが複数確認されており探索者達の聖地と呼ばれるほどで探索者であれば比較的簡単に入国する事が出来る・・・・。つまりこのヴォルスから逃げ出す事が簡単にできるという事なのだ!
あの命の危機を感じてからずっと計画してきたけどやっとこの国を出る事が出来る!!
「わかりました。俺はもう登録はしているのでホースガラについたらギルドに案内しますよ」
ライオは私より3歳上で『家出計画』を知ってたから15歳の時に『お嬢の計画の為に先に探索者として活動しておく』と言ってロードル家から出て行き探索者として活動を始めてくれていた。
「頼むわ。試験か何かあるの?」
私がそう聞くとライオが頷く。
「ギルド員と手合わせはする。危険な事もある仕事だから」
ふーん・・・まあ何とでもなるか。
「もう少し休んだらホースガラへ向かいましょう」
私がそう言うと2人とも頷く。
それから20分位久々に会ったライオと今まで起きた事や探索者として活動してどんな事があったのかを話した。
「それじゃあ行きましょう・・・・あ・・・少し待って」
そう言いながら私は腰に差してあるナイフを鞘ごと抜きルーナに差し出す。
「お嬢様?」
私が何をしたいか分からないようで戸惑っているルーナに微笑みかける。
「とりあえずこのナイフを持ってて」
私にそう言われルーナがナイフを受け取ったのを見て私は腰まで伸びた艶のある金髪をポニーテールのように纏めた後にルーナに視線をむける。
「ルーナ・・・・切って」
私の纏めた髪の毛を見て目を見開くルーナにもう一度同じ言葉を口にする。
「ルーナ・・・切って?出来れば髪を纏めてる所から」
私がそう言うとルーナが悲しげな顔で首を左右に振る。
「出来ませんお嬢様!!そんなにお綺麗な髪を切るなんて!!」
私はその言葉に首を左右に振る。
「この髪は今日の為に伸ばしていたのよ」
私がそう言うと2人は『何を言っているのこの人は?』って顔で見て来たので私は苦笑する。
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