成功した
誕生日会と言う名の夕食を終えて私は早々に部屋に引き篭もり家出の準備を始める。
「服は良し・・・それとこの日の為に貯めていたお金も忘れないように・・・・」
そう独り言を言いながら準備をしていたらノック音が聞こえたので慌ててベッドに飛び込んで布団をかぶる。
「お嬢様・・・・私です」
被っていた毛布を隙間から覗き見るとルーナが苦笑しながら私を見ていた。
「びっくりした・・・で?お父様やお母様は怪しんでなかった?」
毛布から抜け出してそう聞くとルーナが真剣な顔で頷く。
「この屋敷の誰も怪しんではおりませんでした、それと『お嬢様は誕生日会で張り切り過ぎで疲れたから早めに休まれるそうです』と執事のマヌッケさんに伝えてあるので誰も来ないと思います」
流石ルーナ!手際がいいね!!でも理由がはしゃぎすぎて疲れたって私はもう子供じゃないんだよ?まあ言わないけど!!
「皆が寝静まるまで待ってから行動するわよ」
私の言葉にルーナが真剣な顔で頷く。
「あっさり出られたわね」
あれから2時間ほどして様子を窺い、最終確認に誰か起きてないかをルーナに確認して来て貰い大丈夫そうだったので私とルーナは屋敷の裏口から出て闇夜に隠れるようにロードル家の敷地を出ることに成功した。
「お嬢様ついて来て下さい」
敷地を出てすぐにルーナが囁くように言った後に歩き出したので私はルーナの後を追うように歩き出す。
そしてしばらく星明りを頼りに暗闇の中を歩いて行くと整備された街並みから離れ王都を囲むように作られている防壁付近の違う感じの建物が並ぶ区域へとついた。
「此処が」
周囲を見ながらそう呟くと私の呟きを聞いたルーナが頷く。
「はい、此処がスラムとなります」
そう言いながらも進んで行くルーナの後をついて歩いて行っていたら2階建てのボロボロの家の前でルーナが立ち止まり建物のドアをノックする。
「誰だ?」
ノックしてしばらくしてから男性の声がドアの向こうから聞こえて来てルーナは慌てる事も無く口を開く。
「ライオの紹介で来ました」
ルーナの言葉の後にドアが少しだけ開きその隙間から掌を上にした状態で手が出て来たのを見てルーナが懐から小さな袋を取り出してその手に乗せると手が引っ込み・・・そしてしばらくしてからドアが開き鍛えた体を持つ男性が出て周囲を確認し。それから私達に視線をむける。
「入れ」
ルーナはその言葉に頷いた後に私に視線をむける。
「入りましょう」
その言葉に頷き私はルーナと共にその建物へと入った。
普通の家とは変わらない作りとなってるのか玄関先でルーナと立っていると後から入って来た男性が私達に視線をむける。
「ついてこい」
そう言いながら奥へと繋がる廊下を歩き出したので私とルーナは後をついて行くように歩き出す。
廊下を進み右に曲がり左に行き・・・そして男性が足を止める。
「ここだ」
そう言った男性の言葉を聞き私は周囲を確認したけど見えるのは目の前の壁だけだった。
此処に何が?と首を傾げていると男性が壁の右端に人差し指を突き入れ・・その場所がひっくり返り取っ手が出て来てそれを握り左へ引っ張ると壁がひだりへとズレて行き人1人が通れそうな穴が出て来た。
「ここを通れば王都から少し離れた森へ行くことが出来る」
それを聞き頷いて穴へと入り進もうとしたら入口が閉められた。
「さあ行きましょう」
真っ暗になっても一本道だから迷うなんて事は無いから安心して進める。
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