幸せになって欲しいと思う
私の誕生日があと4日後になった。
「お嬢様・・・いよいよですね」
私の前に立つメイド服を着た同世代の女の子で身長は170㎝位で黒髪ボブカット・・・私の専属メイドであるルーナが微笑みながらそう言って来たので私は微笑みながら口を開く。
「ええ・・・長かったわ・・・でもいいのルーナ?貴方は此処に残った方がいいんじゃないの?一応こんな家でも子爵家よ?」
私がそう言うとルーナが真剣な顔になり首を左右に振る。
「私が仕えているのは貴女様にです、ロードル家にではありません」
私はその言葉が嬉しくルーナに抱きつく。
「本当に嬉しいわルーナ・・・・ありがとう」
この家を出る事に関して不安はないが1人で行くのと信頼できる人と一緒に行くのでは大違いだから嬉しい・・・と思っていたらルーナが真剣な顔のまま話を続ける。
「最終確認をします、お嬢様の誕生日会の夜にこの家を出る・・・でよろしいですね?」
私は迷わず頷く。
「畏まりました、お荷物に関しては私がご用意いたします、お嬢様がやると怪しまれる可能性がございますので」
「お願い」
これで全ての準備は整った!
15歳になってから家出をする理由はいくつかある。
その理由の中で一番大きな理由はヴォルスの法律において15歳は成人と見なされる・・・『未成年だから出来ません』と言う縛りが無くなる・・・これが大きい。
それと私は家を出てすぐに王都を出ようと考えている、夜なので闇夜に紛れて王都を出れば怪しまれないしね。
「ライオには言ってあるのよね?」
「もちろんです、私達が王都を出た所で合流する手筈となっております」
ライオと言うのは私の仲間で3年前から探索者として活動している男性で私の家出の計画も知っており一緒について来てくれるという物好きだ。
「全く・・・貴女といいライオといい・・・・本当に物好きね、ついて来ても何の保証も出来ないわよ?」
そう言うとルーナが真剣な顔になり口を開く。
「私とライオは貴女に命を救われ・・そしてそのままこの屋敷で働けるように取り計らってくださいました・・・・その恩に報いるべく私達は貴女様と共に行きたいのです」
「気にしなくていいのに」
この子達と初めて会ったのはフトマルのおもちゃとして紹介された時・・・・そうあの時の鎖に繋がれていたぶられていた子供達がルーナとライオなのだ。
あの後私は家出を決心し日々勉学に身を置いていてもフトマルとの交流は続けなければならなかった・・・そしてある策を思いつきフトマルと会った時に実践してみた。
「ねえフトマル様、私もおもちゃが欲しいのですが伝手がありません、ですのでフトマル様のおもちゃを譲ってくれませんか?未来の旦那様の事を理解する為にも是非!」
と我ながら鳥肌物の猫なで声で頼んでみたらニヤニヤしながら『お前も判って来たな!!』あっさりと2人を私に引き渡してきた。
んなのわかる訳ないでしょ!!と口にしたかったが微笑んで『ありがとうございます旦那様』言ってその場を凌いだ。
そして2人を家まで連れて行き身なりを綺麗にしてからルーナには私付きのメイドとして働くように、そしてライトは警備員見習いとして働くように手配した。
「私達はあのままあそこにいたらきっと殺されていたでしょう・・・・それにそれが無くても私とライオは貴女様のお力となりたいのです」
本当にこの子達はいい子達だね・・・2人には幸せになって欲しいと思う。
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