判るよその気持ち
慌ててライオに駆け寄りライオの足元で屈みこみライオの足のけがの確認をする。
「あれ?」
怪我はしてないっぽいよ?どういう事?と首を傾げるとライオが苦笑する。
「この血は返り血です、拠点に残っていた奴が2人いてそいつ等を倒しました」
その言葉を聞きホッとし立ち上がる。
「それじゃあもうこの中に危険は無いのね?」
私がそう言うとライオがなんといっていいか分からなそうな顔になる。
「それがですねお嬢・・・・問題がありまして・・・俺がこいつ等を見てますから中に入って・・・確認してもらえますか?」
「確認?わかった」
ライオがあんなふうに言うのは珍しい、本当に何があっったのか気になる。
横幅が1メートル位の横穴へ足を踏み入れルナが待つであろう場所へと進んだ。
「ルナ!・・・え?」
横穴を進むと少し広い空間へと出てルナが私に背を向けるように立っていたので声を掛け・・・そして足を止めてしまった。
ルナと私の視線の先には洞窟の端で体を縮こませるようにして震えているボロボロの服を着た女の子。
「何でこんな所に女の子が?」
私の呟きにルナが私の存在に気がつき振り返り視線を向けて来た。
「ライオと共にこの場にいた2人は切り伏せたのです、その後に後ろから悲鳴が聞こえて見てみればあの子が・・・」
あれ?もしかしてこの子って盗賊の子供?もしかしてこの子のお父さんを殺しちゃった?と冷や汗を流し少し考えたが答えは出ないと判断して女の子に少し接近し屈んで女の子の視線に合わせてから微笑む。
「こんにちは、私はエルミナって言うんだ、貴方は何でここに居るの?」
そう言ってからジッと女の子を見ると女の子は恐る恐るという感じで口を開く。
「私は・・・・アリス・・・・此処には連れて来られたの」
ん?『連れて来られた?』・・・・もしかしてこの子。
「お父さんとお母さんは何処にいるのかな?」
そう聞くと女の子・・・アリスが物凄く悲しそうな顔になる。
「判らない・・・・連れて来られる前にここに居る人達がお父さんとお母さんに酷い事をして・・・それから連れて来られたの」
それを聞いた瞬間私は震えるアリスに駆け寄り抱きしめる。
「怖かったでしょ?もう大丈夫だからね」
私に抱きしめられて驚いた顔をしたアリスが『大丈夫だからね』と言う言葉を聞いて直ぐに泣き始める。
私とルナとアリスの3人だけがいる洞窟内でアリスの泣き声が響いた。
「大丈夫?」
涙も収まり私の腕の中で落ち着いてきたアリスの目を見ながらそう聞くと静かに頷いたので私はアリスの頭を撫でた後に口を開く。
「アリス、少しの間このお姉ちゃん・・・ルナお姉ちゃんと一緒に此処で待っててくれるかな?ルナお姉ちゃんは私のお友達でいい人だから安心していいよ?いいかな?」
「・・・うん」
そう返事をしてくれたので私はもう一度頭を撫でてからルナに視線を向ける。
「少しの間お願いねルナ」
「畏まりました」
綿井はルナにアリスを任せて外へと出た。
外に出てライオの姿を探すと馬車を引いてくれる馬達の世話をしていた。
「ライオ」
私がそう声を掛けるとライオが私に気がつき作業の手を止めて私の元へと歩いてきた。
「で?どうだった?」
その言葉にチラッと馬車の近くで座っている盗賊達を見てから私は溜息をつく。
「あの子・・・あいつ等に親を殺されてここに連れて来られたみたい」
その言葉にライオが盗賊達に殺気の籠った目で盗賊達を睨む。
うん判るよその気持ち!!
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