思わず足が出ちゃったんだ
翌日私達は予定通りホースガラを出て国境に向かい馬車を走らせた。
それから2日間は何も起きる事も無く進んでいた・・・・が3日目の昼すぎ走る馬車の中から馬車に取り付けられた小窓から流れる景色を眺めていたら馬車の速度が落ちて来て・・・そして馬車が止まった。
「何があったの?」
御者席に繋がる小窓にそう声を掛けるとライオは振り向かずに前を向いたままでその問いに答えてくれた。
「魔物です」
その言葉に私の前に立て掛けてあった魔鉱石の棒・・・・『ブンブンちゃん』(私命名)を握り馬車から降り周囲を見ると馬車の進行方向から150㎝位の身長を持つ肌が緑色をした人型の魔物・・・ゴブリンが7匹棒を手に取りこっちに向かって走って来ていた。
「お嬢・・・実戦はまだだったよな?行くか?」
前を見ながらライオがそう言って来たので私は頷く。
「やるわ・・・避けてはいけない事だもの」
これから先私の自由の為に戦わなきゃいけない・・・・だったら戦うしかないでしょ!!
ブンブンちゃんを構えこっちに走って来るゴブリンを睨んでいると隣にルナが立ちナイフを構える。
「私も初の実戦です、お互い助け合って戦いましょうエルミナ様」
その言葉に私は前を見ながら頷く。
そして私達の所までの距離を走って来る間・・・・物凄く長く感じ・・・そして戦える距離まで接近した所でルナが動いた。
「まず私が行きます」
そう言った後にルナはゴブリンに向かい走り出し・・・くゴブリンをすり抜けるように走りぬいた・・・と思ったら2匹のゴブリンが首から青い血を吹き出した後に倒れた。
「凄いなぁ」
すれ違い様ナイフで首を掻き切ったんだね・・・見えなかった!!と感心していたらいつの間にか私の目の前にゴブリンが現れ手に持っている棒を振り下ろしてきた。
「ギャピッ!!」
変な悲鳴を上げて股を抑えながら蹲るゴブリンの頭にブンブンちゃんを思いっきり振り下ろす。
「グギャ」
更に変な悲鳴を上げて動かなくなったので他のゴブリンを倒そうと思い囲を確認するといつの間にか剣を持ったライオが残りのゴブリンを倒していた。
「あのなぁお嬢・・・・何でゴブリンを武器じゃなくて蹴りで倒すんだ?何の為の武器なんだ?」
・・・はいごもっともです!!でもいきなりの事だったから思わず足が出ちゃったんだよ!!
「ごめん」
今の戦いは私の戦い方が悪いから仕方ないので謝るとライオが苦笑する。
「まあ初めての戦闘だったから仕方ない・・・よくやったよお嬢は」
「今度はきちんとやるよ」
心のどこかで最弱のゴブリンだから余裕だ・・・と言うのがあったのかもしれない・・・本当にこれからはそんな事は無いようにしよう・・・これは命に係わる事だからね。
戦闘の後始末をした後に再び国境に向かい馬車を走らせた。
それから魔物に襲われる事も無く夜になり馬車を止めて野営の準備をした後に交代で見張りをする事になりまずはルナが見張りをして次にライオ、そして最後に私と言う順番となった。
「それじゃあ時間になったら起こしてね」
そう言った後に馬車に乗り込み私はいつもはルナと一緒に座っている席に横になり目を閉じた。
「起きてくださいお嬢」
体を揺すられながらそう声を掛けられ私は目を覚ました。
「魔物とか来た?」
目をこすりながらそう聞くとライオが首を左右に振る。
「それじゃあ変わるよ」
私はライオが用意していた焚き火の前に座り周囲を警戒しながら朝までの見張りをした。
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