目も当てられない
襲われた後は何事も無く無事に買い物を済ませた時にはもう夕方になっていた。
「ライオ、お勧めの宿ってある?」
ライオにそう聞くとライオが苦笑する。
「ホースガラの宿はそこまでの差はないから適当でいいと思う」
その言葉に頷き口を開く。
「んじゃ適当に選んでくれる?」
「わかった」
ライオを先頭にして10分位歩き一軒の宿の前に足を止める。
「此処でいいですかお嬢?」
建物を見上げながらそう聞いてくるライオに頷く。
「ちょっと待っててください」
ライオはそう言い残し建物へと入って行き5分位して戻って来た。
「部屋を2部屋取って来ました、お嬢とルーナで1部屋、俺が1部屋って事で」
「わかったわ、それじゃあ早速部屋に行きましょう」
もう夕方だし宿でご飯も食べられるだろうからね。
宿に入りライオが取ってくれた部屋に入りホッと一息ついているとノック音がした。
「誰ですか?」
ルーナが扉の前でナイフを握りしめながらそう聞くと聞き慣れた声・・・・ライオの声が扉の向こう側からしたので鍵を開けて扉を開く。
「お嬢、夕食を取りに食堂に行きましょう」
私はその言葉に首を左右に振る。
「食事の前にこれからの事を話したいわ、入って来て」
私がそう言うとライオが真剣な顔で頷き部屋へと入って来た。ルーナは一度外に出て左右を確認した後に部屋に戻って来た。
そして2人が用意してあった椅子に座ったのを確認した後に私は口を開く。
「まず初めにこれから私の事はエルミナと呼んで頂だい、もう『お嬢様』とか『ルーファ様』とか呼ばないように」
ギルドカードを作る時にエルミナと言う偽名にした訳は少しでも今の私にたどり着く可能性を減らす為にした事だ、もし旅先で誰かがライオやルーナの『ルーファ様』とか『お嬢様』とかを誰かが覚えていてロードル家に伝わってしまったら目も当てられない。
2人供それを分かってるので真剣な顔で頷く。
「って言うかまさか偽名でも登録できるとは思わなかったわ」
もしかしたら『これは偽名ですね?登録できません』とか言われないかドキドキしてたんだけど何も言われる事が無かった。
「俺もまさか通るとは思わなかった、だぶんギルドは自信があるんだよ」
その言葉に首を傾げるとライオは話を続ける。
「ギルドに犯罪者は入れないって、ほら入った後も一年に一度は水晶玉のチェックを受けなきゃならないだろう?」
ああ!そういう事か!入った後にもチェックがあれば探索者が犯罪者になるのはる程度は防げるしね。
「まあそれは置いておいて俺は『お嬢』呼びのままで行くぜ?誰が聞いても分からないだろうからな」
まあ普通は分からないかな?と思い頷く。
「それと私はルーナの事もルナと呼ぶようにするわ」
ルーナのギルドカードもルナとして登録してあるからその通り呼ばないとね。
「畏まりました」
ルナもそれを聞き頷いたので話を続ける。
「それでホースガラからのルートなんだけどホースガラから国境までひと月くらい掛かるのよね?どういうルートを通った方が良いかしらライオ?」
ライオは私の言葉を受けて少し考えてから懐の小さな布袋から1セリン銅貨を複数取り出してテーブルの上に置き視線を私に向ける。
「まず・・・この1セリンがホースガラだ、そしてホースガラから2日の距離にハッサという街」
そう言いながらそこに1セリン銅貨を置く。
「次にそのハッサから1週間の距離にボッシュ」
そう言いながらまた銅貨を置く。
「ボッシュから更に1週間かけて着く町・・・ムラダ」
同じように銅貨を置く。
「そして最も国境に近い街ムッセツ」
銅貨を置いた後に私に視線を向けて話を続ける。
「このルートが最短距離です。ですが王都から離れて行くにつれ盗賊が活発化し魔物が出て来る頻度が上がる為に移動速度が下がる可能性が高いのでひと月で国境に着くかどうかはわかりません」
「そのルートを通るわ、2人供そのつもりで」
私の言葉に2人供真剣な顔で頷く。
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