この人上位ランカーなんだ
治療所で運ばれてくる探索者の治療に専念していると次々と怪我人が運ばれてくるけど私はそれを気にする事もせずに目の前の患者に集中する。
今応急処置をしてるのがかなり大きな体を持つ赤髪赤目のかなりの美形な男・・・まあライオにはおとるけど!
「これで大丈夫、貴方は骨折だけだからね、でももう戦いにはいかないように」
左腕を固定してから骨折した男性にそう言うと男性がニヤリとする。
「俺は右利きだから剣は握れる、だから大丈夫だ」
私はそれを聞き溜息をつく。
「なら今ここで私が右腕を折る」
「は?」
私の折る宣言に目の前の男性が目を見開き固まる。
「確かに折れてるのは左腕のほうよ?だけど右手で剣を振るうう時左腕が痛むの、その時の痛みで一瞬体が硬直する可能性が高い。そしてその一瞬が命取りになるのよ?この混戦状態ならなおさらね」
私がそう言うと男性が何も言わなくなったけど私は話を続ける。
「私は無駄に死に行く人を笑顔で見送るるほどやさしくないの、だからここで右腕を折って貴方を戦いに行かせない・・・・剣を振るえるなら此処で休んでなさい、もし魔物達に押し込まれ始めて此処まで来たらここを守って」
私はそう言った後に立ち上がり次の患者へと取り掛かる。
「お嬢」
怪我人の治療を続けていたら後ろから聞き覚えのある声・・・ライオの声がしたので振り返ると【自由の翼】のメンバー全員が立っていた。
「戻って来たのね」
そう言うとライオが真剣な顔で頷く。
「休憩する為に戻って来た、お嬢との約束通り誰も怪我はしていない」
そう言われ全員の体を確認すると誰も怪我はしてないみたいだ。
「・・・・・良かった」
今まで怪我人を見て来たからこそ仲間が誰も怪我してないと判ると体から力が抜け床に座り込む。
「大丈夫ですかエミリア様」
へたり込んだ私を見てルナが駆け寄ってきたので私はルナの事を見上げるようにし微笑む。
「皆が無事だと思ったら安心して力が抜けちゃった」
私の言葉に【自由の翼】のメンバー全員が笑いそれを見た私は力を込めて立ち上がる。
「なら皆は休んでて、私はまだ治療をしなきゃいけない人達がいるから」
そう言った後に私は再び怪我人の治療を再開した。
「エミリア」
怪我人の治療を終えて次の人へと向かおうとした時に師匠から声を掛けられ振り返ると師匠が立っていた。
「落ち着いてきたから交代で休憩を取りましょう、まずは貴女からよ」
「はい」
そう言われて簡易的な休憩室へと行き【自由の翼】のメンバーを探したけどもう皆は戦線復帰しているみたいで誰も居なかった。
まあ仕方ないよねと思いながら用意されている椅子に座ると後ろから男性の声が聞こえた。
「休憩かお嬢ちゃん」
その言葉に振り返ると私がさっき『腕を折る宣言』をした男性探索者が立っていた。
「交代で休憩を取ることになったの、貴方もきちんと休んでいるようで良かったよ」
本気で腕を折るとは思っていなかったけどまあ結果オーライ!!って事で!!
「ああお嬢ちゃんに右腕を折られたくないから大人しく休んでる、そう言えばまだ自己紹介をしてなかったな。俺はアルステル・ローザだ、これでもAランカーだ」
あ・・この人上位ランカーなんだ?なんか意外だ!!
「私はエミリア・・Cランクで【自由の翼】って言うパーティーに所属してる」
私が自己紹介をすると何故かアルステルさんが驚いた顔で固まった。
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