末梢。
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樺は鬼熊、水月に不審な熱を検知したことを知らせる。
そして電波を熱の方へと向けた。
…数は見える限りで三人。
人型であることまでは判別できた。
全員、ただそこで直立している。
樺は彼らを凝視する。
相変わらず動かない。
距離を測る。
手元の銃では届きそうにない。
次の手を考える。
前に電信が届く。
…どうやら輸送隊は制圧し終えたらしい。
それに少し気を逸らした樺は再び影を捉えるが、
そこには影も形もなかった。
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水月隊と鬼熊隊、そして樺隊の大半が負傷者の処置や敵の捕虜化、運搬物資の確認を行う中、樺は周囲の偵察を行なっていた。
あの熱は。あの風は。
樺は違和感を覚えていた。
野々村が撃たれる直前に感じた時と同じ風。
そして何故何も仕掛けて来なかったのか。
樺には何か企みがあったように見えた。
その意図は。目的は。
…それでも樺は観測を続ける。
戦闘の緊張が解け、あちらこちらで声は聞こえるが電波の映す像にはあまり変化がない。
変わりのない様が却って樺に焦りをもたらしつつあった。
そんな中、電信が届く。
どうやら向こうは処理を終えたらしい。
…それに伴って樺らも撤収作業を行う。
その場所に疑問を遺したまま。
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その後の撤退も何事なく終え、樺は少し慣れた作戦室の空気の中、情報共有を行なっていた。
「先ほどの作戦は上手くいったのう
…それも上手くいき過ぎた感覚があるわい。」
「同意せり。加えて樺のいう影も気に係る。」
作戦が成功したというにも関わらずあまり良い空気ではなかったが。
樺は口を開く。
「そして、輸送隊の規模も、物資が大きく削られた割には小規模でしたね。」
「げに。捕虜も将はなべてならぬが分水嶺となる輸送の護衛にしては脆弱なり。」
水月は入口の近くの縛られた将校を見る。
名は司馬蒼光と言うらしい。
若さでいえば樺とそう変わりがないように見える。しかしこちらを睨む鋭い目が、その姿勢が、ただ捕られただけの敗者ではないことを物語っている。
「―――とはいえまだ若造じゃな。水月の放電を喰らって、動けんくなっとるようではの。」
「…それもそうですが魔術護衛が1人だけというのも不自然ですよね。」
樺がそういった後、水月も言葉を継ぐ。
「故に思惑があると見做さん。」
そして暫く沈黙が続く。
それを破ったのは鬼熊の呟きであった。
「…囮か。」
そう述べた後、作戦室は再び沈黙に包まれた。




