統率。
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「水月隊長、どのような要件でこちらへ?」
樺は問いかける。
「興が一つ、されど最たるはこの先朋輩となる者の人相を知るためなり。」
そう答えた後、水月は樺とその部隊を見る。
沈黙する樺と分隊長、変わらず話続ける隊員。
水月は少しの沈黙の後、こう言った。
「ふむ、おおらかな隊と見受けん。」
榊原だけが眉をひそめる。そして沈黙が再び続く。
それを破ったのはまたしても水月であった。
「…やはり軍というのは難儀なものであるな。」
そう小さく呟いた後に
「言わばそなたの隊は統率が取れておらぬ。規律の乱れは自隊のみならず他の隊にも被害を与える。故に改めることを求めん。」
樺は不意に視線を落とす。
返す言葉も無かった。
また暫くして水月は小さく息を吐く。
そして言葉を補った。
「されど汝らの成した功を否む意はあらず。
…さて、朋輩の人相を知れた。これ以上任務の邪魔をするのはよそう。」
青髪の男は踵を返すように去っていった。
「ものをいうだけ言ってさっさと帰りはるん、嵐のようなやつやったな…」
室井は息を吹き返すかのように声を出す。
「彼はそういう人です。」
榊原は淡々と言った。
樺は先ほどの言葉に意識を向ける。統率、規律。そしてやがて野々村を回顧する。
…思えば安易に提案を追認したことが問題であった。
もし、あの提案を吟味できていたら、意思を持って動けていたなら。
何かを変えることができたのではないか。
…そう思うまま日は進み、気が付けば襲撃予定日当日となっていた。




