凪間。
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樺の心意気とは裏腹にその後数日は事前申告された味方の兵が2、3度映るのみであり、その他は木の葉一つさえ捉えることは無かった。
唯一変わったことと言えば昼間の観測任務が第五小隊に委ねられたことくらいである。
「しかし、本当に何も起きませんね。」
榊原が霧中で役目のこないゴーグルを拭きながら言う。
「まぁ事件尽くしの一日送るよりはマシやと思うで。
それにちょっとくらい気抜いたってお天道さんも見えへんし許してくれるんちゃう?」
そう言って室井はおもむろに煙草とマッチを取り出し始める。
「室井さん、任務中に煙草は吸わないでください。
それに何事も無かったとしても任務にはちゃんと取り組むべきです。」
三嶋が室井を咎める。
樺はそれを軽く聴き流しながら観測を続けていた。
…雷徳遠。
奴が現れることを考えると樺は少しも気を抜けなかった。
「いざという時に力出せんでやられたら元も子もないやろ?
やから休める時にしっかり休んだ方がええと思うで…?」
「室井さん、その意見が一理あるとしてもマッチを擦るのはやめてください。」
それに対し、室井は少し呆れた様子で答える
「えらい意固地やん…
てか隊長、伝令がこっち向かっとるから相手しとくで。」
「はい、お願いします。」
室井は伝令から指示を聞きにその場を離れる。
樺はそれを熱越しにしか捉えることは無かった。
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やがて室井はこちらに戻り、樺に内容を共有する。
どうやら今夜の19時より作戦会議を行うこと、また作戦の内容は補給線破壊であるとのことだった。
話が進むたびに樺の眉間にしわが増えていく。そして室井が話を終えた直後にこう問いかけるしかなかった。
「何故今攻撃をすることにしたのですかね。」
室井は一度頷いて答える。
「まぁわかるんやけどな…お上さんが言うには大規模な補給が行われる情報を得たらしいわ。やから補給線ごと物資叩くんやと。」
「こちらも部隊が大損害を被った筈なんですけどね…」
榊原もまた疑念を抱いたらしい。
その後は沈黙が場を支配していたが、その中で三嶋が神妙な顔つきをしてこちらをみていたことは樺の記憶に残っていた。




