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五里霧中の戦場で新人士官の俺だけが視たものは。  作者: linka
烽火。

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12/20

泥塗。

気に入っていただけたならば作品を育てるつもりで評価、コメント、ブックマークの方をしてもらえたら幸いです。

雷徳遠の到来。

それは樺も想定していた。

故に自軍の次の行動は


雷徳遠をここ(ムノンジョル陣地)から引き剥がす。


敵の本陣近くから電波が流れる。

…予定通り伏兵が動いたらしい。


そして本陣の電波が次第に減っていく。


奴はどう動くか。

樺は本陣を見据え観測を行う。

~~~~~~

「やっぱり気持ち悪いな…」


男は悪態を吐きながら泥に潜む。

というのも樺とかいう変人が泥で身を覆うことで雷徳遠の感知を避けることができると本部で言ったのをお上が真に受けたらしい。

…幸いにもそいつの狙い通り感知されなかったみたいだが不快な感触で気分は良くない。


いつになれば行動を開始するのかとうんざりしつつあったところで通信機が信号を受け取る。


(雷徳遠)移動。作戦開始。」


男はそれを聞き、僅かに笑みを浮かべる。


「総員、憂さ晴らしの時間だ!!徹底的にやってやれ!!」


隊は迫撃砲を取り出し砲撃を行う。

それに伴って轟音と共に霧の向こうから悲鳴が聞こえる。

そして次第に微かな緋色の光や白い光の線が見えてきた。


男は叫ぶ。


「砲撃停止!!焼夷だ!!派手にやってやるぞ!!」


隊は燃料瓶片手に本陣に飛び込む。

瓶を投げ、火を放ち銃を撃つ。

そこでは笑い声と悲鳴、発砲音そして燃える音が入り混じる。

視界は次第に煙と霧で白く染められつつあった。


…狂気から目覚めさせるかの如く通信が入る。


「龍退ケリ。総員即時退避。」


男は再び叫んだ。


「奴が来るぞ!!総員、引け!!」


続いて男は呼子笛を鳴らす。


隊員は蜘蛛の子の如く散る。


生還できる。そう男は確信した。



―――突如として熱風が背中を押す。


と同時に霧が一気に晴れ辺りは揺らめく。

乾きつつある泥、身を焼くような空気。

尋常ではない熱に人々は絶叫する。

肺は呼吸を試みるたびに熱に蝕まれ、息は出来なくなる。

やがて熱は男の活力を奪い、周りの兵と共に倒れる。


「あぁ…くそったれが…」


身の茹だる感覚と焼けた肉の臭い。

男の記憶はそこで途絶えた。

~~~~~~

ムノンジョルでは絶えず砲撃が続いていた。

失われていた砲撃の熱は再び柱として上がる。


「雷徳遠が現場から離れました。」

樺は伝令に告げる。


そして砲撃音が止む頃、樺は敵陣に蔓延る熱が突如として消え、周囲に放たれるのを捉える。


「雷徳遠、本陣に到着した模様。」


…彼らは無事か。

淡々と告げる裏腹で

樺は伏兵に思いを馳せる。


やがて白兵戦を告げるラッパが鳴った。

直に銃撃の音が遠方から響く。


―――最終的に本隊は陣地を占領したらしく再びムノンジョルから電波が流れ始める。


…直に樺のもとに伝言が届いた。


…どうやら作戦は終わったらしい。

樺の心にはこれまでの戦闘とは違う疲労感が残っていた。

今回でネタが切れました。

すみません。

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