実験するようです。
席替えしたら前から2番目になっちゃったよ(´・ω・`)
アイフォン触れないよ。モンストできないよ。
んじゃ、まずはレールガンからやってみるか。
「サン、ソル、今からやる魔法を真似してね。魔力は自由に使っていいから」
「はいは~い」
「なにするの~?」
「ちょっとした実験。いくよ、【レールガン】」
電気のレールをいくつか作って、そこに魔力で作った鉄球を1つずつ生み出し、鉄球を魔力で覆う。
剣をアーチ状に、ゼウスの方に振るうと、鉄球がゼウスに向けて飛んで行った。全部アイギズに防がれたけど、いくつかはめり込んでいる。珍しいな。
「おお~」
「すごいすご~い」
「今のをやってくれ」
「うん~。やるぞ~!」
「おお~!」
サンとソルが手を繋いで、それぞれの繋いでいない手を前に出す。凄まじいおTおを立てて何本ものオレンジの線がゼウスに飛んで行った。ま、全部アイギスに防がれたわけだけど……
「って、暑っ! ファイ、レイム、この熱を凝縮して、あいつの後ろで爆発させれる?」
「できるよぉ~」
「やるぞぉ~」
レールガンが放たれた際の熱でめちゃくちゃ熱い。このコートにいくら『環境調整』がついてるとは言え、限界はある。今ここら辺の気温を測ったら、多分300℃はあるんじゃないかな? あいつらどんだけレールガン撃ってんだよ。
にしても、ファイとレイムはしゃべり方は似てるな。間延びした感じがそっくりだ。
「よし、次はペスタだ」
「はいは~イ。なにするノ~?」
「見とけば分かるよ」
サンとソルが撃つレールガンに人差し指から伸びる1本の魔力の糸を紛らわせる。よし、ゼウスは気付いてないみたいだな。
「【ブラックホール】」
「うわっ!?」
ゼウスの顔の横にブラックホールを生み出す。驚いた顔をしたゼウスは飲み込まれてしまった。
魔力の糸を使ったのは、ブラックホールはほぼ零距離でないと作れないからだ。魔法というのは離れれば離れるほど制御が難しくなる。それが高威力で繊細であればある程に。ブラックホールは時空間魔法の最も難しい魔法の1つだ。ちょっとでも遠くでやると、途端に制御ができなくなって消えてしまう。
魔力の糸を自分の体に見立てて作ることには成功したけど、それでも無理はあるらしく、魔力の消費がほぼ零距離のときとは段違いに多い。今のだって1発で全魔力の半分は消費したからな。びっくりだぜ。
「ふう……っ!」
少しため息をついて、ブラックホールを消そうとすると、変な感覚がした。慌ててブラックホールを見ると、ブラックホールの縁に手をかけてゼウスが出てきやがった。ゼウスが出終わると、ブラックホールは僕の意思とは関係なしに自然消滅した。そうなんだよね、ブラックホールは滅茶苦茶な量の魔力を流すと消えちゃうんだな。ちなみにサンとソルは出てきた瞬間からえレールガンを撃ちまくっている。
「いやー、今のは流石に焦ったよ」
「ちっ、そのまま死ねばよかったのに」
「ヒドくないっ!?」
泣き目になってるけど無視だ無視。
「ペスタ、今のどれくらい作れる?」
「ン~、ろっこかナ~。まりょくがあったらもうちょっとつくれるヨ~」
「じゃあ思いっきり魔力をあげるからできるだけやってみて」
「はいは~イ」
ペスタの背中に触れて全力で魔力を流す。「んああああア~!」とあげた嬌声を聞かなかったことにして流し続けてると、ペスタが両手を前にかざした。
「いっくゾ~!」
僕が流した魔力をペスタが全部使い切る。いくつものブラックホールがゼウスの周りにできた。ひい、ふう、みい……うわ、11個もあるよ。やっぱ魔法の扱いはこいつらに遠く及ばないな。
「うわっ! アイギス!」
慌てたゼウスが空中でクルクルと乱回転しながら手を振るう。その動きに添ってアイギスが動いて、ブラックホールを包み込んで11個の球になった。球が一斉にプシュ~としぼむ。ブラックホールはなくなっていた。
「あっぶなー。殺す気満々だったでしょ!」
「どうせ殺しても復活するんでしょうよ」
「そりゃそうだけど、神だって死ぬのは嫌なんだからね!」
プンスカと効果音がつきそうな感じで怒るゼウス。まるで子供だな。
「っと、そろそろ熱は溜まった?」
「いつでもぉ~」
「いけるよぉ~」
「んじゃレッツゴー」
「ほぉ~い」
「ほほぉ~い」
ゼウスの後ろで超強烈な熱波が発生したのを眺める。こっちまで熱が伝わってくる。おお、すごい陽炎だ。
「ああもう! グレイブニル!」
やけ気味の声をゼウスがあげると、なにもないとこから何十本もの黄金の鎖が出現した。あれって確か、神狼を捕らえた鎖だよな。なら、あれに捕まるのはマズイ!
ちょっと長すぎるのが予想されたんで、一旦ここで区切ります。
感想や質問、誤字・脱字の指摘お待ちしています。




