逃げるようです。
気分はマク○ス。
あれに捕まったらなんかマズイ気がするから逃げる。とにかく逃げる。
「む~!」
「や~!」
「サン、ソル、一旦逃げろ!」
グレイブニルに『レールガン』を放っているサとソル以外はその場から離れる。2人が放った『レールガン』はヒットしたけど、そんなのお構いなしとばかりにグレイブニルは『レールガン』を巻きつけて砕いた。
「え? きゃあ!」
「や~ん」
それを見て驚いた2人はあっさりと捕まって簀巻きにされた。2人を捕らえなかった残りの鎖が途中で起動を変えて向かってきた。やっぱホーミングぐらいはするか。
「風よ、我が身を運べ【飛行】! アイン、ガントレットになって」
「いいの~?」
「うん。大剣だと捕まりやすくなるからね」
「はいは~い!」
高速で飛びながらアインがガントレットになったのを確認して、迫ってくるグレイブニルに氷の壁を張ってみたけど、あっさりと壊された。磁力も効かない。金属でできてないからかな。
「【マシンガン】」
うん、これも意味なしっと。ウネウネして避けられたわ。でもそのおかげで周りを見る余裕ができた。
ウィドとペスタ以外はもう捕まっていた。ウィドは僕と同じく『飛行』を使って、グレイブニルの隙間を上手に移動している。でもあれじゃ囲まれてすぐに捕まりそうだ。
ペスタはワープを連続で使って、器用にグレイブニルを絡めてた。あ、絡まってる部分が揺らいで元に戻った。
「はっはっハ~……うわア!?」
あいつ……調子に乗って笑ってるから捕まるんだよ。ウィドもいつの間にか捕まってるし。あとは僕だけか。
僕は『千里眼』と『未来視』と同時に使っている。今、僕の視界は上空から見下ろしている状態で、鎖がどう動くのかが半透明なヴィジョンになって見えている。
ちなみに、『未来視』はずっと遠くの未来なんて見えたものじゃないよ。未来はちょっとした行動ですぐに変わってほぼ無限に分岐してるから、あんまり先を見過ぎると頭がボンッてなるらしい(ルミナス談)。せいぜい10秒先が限界だな。まあそれでも十分だけどね。グレイブニルが予測された軌道に沿って動くのはちょっと面白いし。
とは言っても、逃げてばっかじゃどうにもならない。いずれは囲まれたりして捕まるだろう。ペスタが使ってたワープは使えないし。あれ、自分の場所とワープしたい場所を性格に把握する必要があるからな。今みたいに高速で飛んでたらまず使えない。やったら多分頭から鎖が生えたり、腹から鎖が生えたりすると思う。どうすっかな……グレイブニルもアイギスと一緒で『破壊不能』がついてるからな。
……あれ、これってやばくない? ほぼ詰んでるじゃん。捕まって終わりだよ。とりあえず、あと1回ぐらいは攻撃しときたい。でないと気が済まん。
下から迫るグレイブニルの隙間を潜り抜けて、低空飛行しながら『マグネット』で砂鉄を集める。さっきみたいに1つに固めるんじゃなくて、何個かに分ける。砂鉄を集めすぎたせいか地面がちょっと沈んだ気がするけど、気にしないでおこう。
土魔法でドデカい岩を作りだし、それを魔法でいくつかに切り分けていっきに重力魔法で固める。そして固めたものに砂鉄で包み、炎魔法で融解させて混ぜ合わせる。そんでもって表面を冷やしたら初期の惑星の完成だ(多分)。あとは植物を植え付けたら惑星の完成なんだろうけど、今は必要ないからやめておこう。
「星達よ、落ちろ【メテオシャワー】!」
まさに流星群。ドドドドドドドドド! ともの凄い音を立てて作ったいくつもの流星群がゼウス目掛けて落ちる。向かってくるグレイブニルと衝突して砕け散ったものの、その破片が勝手にに集まってまた惑星になった。
グレイブニルを抜けた流星群はゼウスに当たろうとしてアイギスに阻まれて砕ける。その破片がまた集まり、流星群となってぶつかるというのを何回か繰り返す。そうしているうちにグレイブニルがやって来た。僕は素直に捕まる。う……急に体が軽くなる感覚がして、それと同時に体の自由が効かなくなった。何が起こっているのか解析してみたら、何も起きない。
「あーなるほど。スキルが使えなくなるのか」
「ご名答。まあそれだけじゃなくてステータスも下がってるんだけどね。だいたい成人男性の平均ってとこかな。
いやー、でもまさかグレイブニルを使うはめになるとは思わなかったよ」
「そいや、アイギスで『ブラックホール』を消したあれ、どうやったの?」
ゆっくり下ろされてる途中で気になったから聞いてみた。
「簡単だよ。アイギスで魔素を隔離して魔力の供給を絶っただけさ」
「そういうことか。んじゃ『魔素操作で』どうにかできるの?」
「うん。隔離されたんなら、その隔離してるのを壊せばいいじゃん」
「いやいやいや」
地面に足がついてブレイブニルから解放されたから手を振って否定する。
「『破壊不能』がついてんのに、どうやって壊せと?」
「その『破壊不能』を壊せばいいじゃん」
「いやいや無理でしょ」
「君の『ステータス操作』は何の為にあるんだい?」
……あ。
「絶対忘れてたでしょ」
「いやー、あはははは……」
ゼウスにジト目を向けられて、笑って誤魔化した。『ステータス操作』か。できることできないこと試してなかったな。今度しとかないと。ゼウスの言い分からして、破壊っぽいことはできそうだ。
「じゃあ僕はこれで。また明日もしたいなら同じ時間にここで待っててね」
「はいはい。じゃあね」
バイバーイと手を振るゼウスが光の粒を残して消えるのを見届ける。さてと、落ち込んでる精霊達を元気付けるとしますかな。
次話は王族サイドの話を。幸人達は出てきません。なので3人称になります。下手だけど気にしないでね!
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