プロローグⅡ
少し前、今だと未来になるのかもしれない世界の映画で誰かが言っていた
『皆死ぬ、君だって死ぬ、俺も死ぬ、だけど――』
そこから思い出せない、でもそれはこの世の真理にして、絶対の法則、少なくとも僕はそう思っていた。
中国地方・奉天政府及び日本軍前線
僕たちの配属先にしてこの中国内戦最大の戦場、南方戦線
激戦区の理由は北京、上海、香港…つまりここより南には敵軍閥がいくつもあり、主要都市もある。
つまり、工業地帯、資源地帯も密集しているわけでそうなってくるとおのずと攻めにくく、堅牢な防衛線になる。
ある日の朝、僕は同僚の青木隼人とともに演説台の上にいた。
「我々、第三重装歩兵大隊はこれより出撃、目標は敵都市重慶の攻略、及び前線を押し上げる役割として主力部隊、第五歩兵師団に合流し、共同作戦を行う、以上!各自装備点検、一三:〇〇に集合、出撃する」
「隼…隊長、もっとましな説明はできないんですか?」
こんながさつだったかな…と思い返しながら解散し、自分の装備品を確認する兵士たちを見ながら「それでいいのか…」と思いながらも、自分自身も装備の点検をする。
そうして、一三:〇〇…午後一時といえばいいのだろうか
俺たちは運命の分かれ道のスタートラインに立った
そしてそのまま、最初の分岐点にたどり着いた、いや、進んだが正しいだろう。
『~^~』
「…了解」
「隊長、どうかしましたか?」
陸軍の暗号によって無線で指令が下される、それに答える隼人の表情はどこか暗い
そうして運命は動き出した。
「総員出撃、予定が変わった俺たちは上海攻略に向かう」
どっと騒ぎ出すか、逆に静かになるか、この二つが人間の行動だろう。
だけどここは違った
「おお!どこだってやってやろうじゃねえか」
「隊長が行け言いはるなら、どこだって殲滅しに行きますわ」
「さてと…行くか!」
「「「「おお!」」」」
この部隊は所謂懲罰部隊に近い、ここの隊員は問題児ばかり、僕と隼人は実力で隊長、副隊長になった、つまりここには僕ら少佐より上の階級にいる人もいる。
この部隊の数少ないルール…絶対に隊長に従う、隊長は年に一度部隊内で行う模擬戦で決める、隊長は階級がただの歩兵だろうが関係なし、とかいう実力主義を体現した部隊である。
「ったく、この荒くれ者どもが、仕方ない、じゃあ命令だ!俺たち五百人で最低でも前線を突破する!
そして、誰も死ぬな!」
「「「「「おおおおお!!」」」」」
全員が雄叫びを上げる、そんな中、号令をかける隼人は近くにいる僕にしかわからない笑みを作った、その笑みは、僕たちが少しだけでも楽しんでいると自覚させるような…未来にいた時よりも楽しそうないつも一緒にいた僕だからわかる、『心の底から最高なときの笑い』だった。
「出発!」
全員が行軍を開始し、上海を目指す。
「修也」
「なんだよ、隼人」
「今でも好きか?あの映画」
「…ああ『死は避けられない』」
「その通りだ」
「でも、『今日じゃない』」
「ああっ」
力ずよく頷くと、僕たちも走り出す、ここからは少し長い戦いの話を聞いてもらおう。
解説
・懲罰部隊
犯罪者、問題児が配属されるドイツの親衛隊にもあった、確か…第33擲弾筒部隊だった気がする
・『皆死ぬ、君だって死ぬ、俺も死ぬ、だけど 今日じゃない』
個人的に好きな映画『バトル〇ップ』の名言
ロマンしか感じない映画でした
・重慶、上海
中国の主要都市この世界では各軍閥の首都機能を持つ都市だけど…
評価、ブクマありがとうございます。




