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異世界日本の世界戦記  作者: 正軒
 秋田修也
13/25

突入

 上海・日本南軍防衛線


 味方の流れ弾が当たらない位置で敵を撃ちながら僕は思わず息をのんだ。

そこに広がる戦場はさっきまで膠着状態だったとは思えないほどに敵軍(・・)が優勢だった、土塁と塹壕で築かれた防衛線は突破され、ついに南軍の最終防衛線まで敵が迫っている。


「第一から第八は突撃!このままじゃ最後も突き破られるぞ」


 気付いた時には反射的に体が動き出し、敵の大軍に向かって突入した。

敵はここだけで三万強、僕が連れてきた兵士は五千弱、その内四千とともに突入する。敵の気を逸らせれば充分、そして味方が防衛線を築きなおす時間が稼げれば万々歳だ。


「無茶ですっ、このままじゃすりつぶされますよ隊長!」

「いいから撃て、時間を稼いで味方が反撃をする隙を作るんだ!」


「だめだ、包囲されたっ…ぐっ」

「左方転進!第五を助けに行くぞ」

「「了解」」


 そこら中から銃声、悲鳴、怒号が飛び交う。どんな無茶でも通さなければここで全滅は必至、敵の後退だけじゃ戦況をひっくり返すには足りない、周囲に目をやり、周りより数倍の兵士に囲まれている部隊を発見する。


「…見つけた」

「?」

「達城!部隊を連れてついてこいっ、いきなり本陣に襲撃をかける馬鹿はもう一人いるぜ」

「うぇ…」


 ドン引きしながらもちゃんと周囲の部隊をかき集めてくる達城から早々に目を離し、そのまま敵の海を爆走する。

もともと指揮下にあった部隊の残り五十人全員で突撃を仕掛け、敵を確実に食い破っていく。前線で戦い全員の士気を上げる大将、それが僕と隼人だ。現に士気は包囲されていても下がることはなく逆に上がり続けている。


「残弾は気にするな、敵を一人でも多く(ほふ)れ」


 僕の部隊は一番隊のような突破力はない、三番隊のような隠密性もない、四番隊のような素早さもない、五番隊のようなずば抜けた戦闘力もない、だが、あの個性しかない部隊の中で一番当たり前の動き(・・・・・・・)ができる。


「総員、好きなだけ暴れろ、指揮官は僕が殺る」

「ひゅー、怖いねえ」

「茶化すなよ…」


 本当に僕には勿体ないくらい優秀な部下たちだ。

そのまま敵を食い破り、敵の中心に入り込む。そこまでくれば後はもうただの一方的な蹂躙(じゅうりん)だった、どれだけのことがあってもこの部隊は精鋭部隊であり、前線で最も戦っている部隊の一つなのだ、経験も実力もずば抜けていると言っても過言ではない。


「わりいな、こっちも必死なんだ」


 顔を変えぬまま、指揮官に向かって容赦なく発砲。

三発、四発と銃撃し、確実に死んでいると判断できるまで撃ち続ける。


「さて、目的は果たした。帰るぞ」

「「「「了解」」」」


 もう味方の撤退は完了しており、もう目的は達成したと言えるため、さっきと逆側に発砲し、空いた隙間を少し減ってしまった三千五百ほどで駆け抜ける。


 味方の防衛線は回復、敵は五千ほどを屠り、こちらの損害は五百人、戦果としては充分だ。

僕はそのまま、南軍の司令部へと向かった。

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